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夫婦

夫の遺品整理を半年で進めた、わたしの3つのコツ

ヨバナシ編集部 読了 約6分

夫を看取って半年が経ち、わたしは夫の遺品整理を、ようやく始めました。68歳のひとり身で、ひとりで進めるしかない遺品整理を、半年でどうやってまとめたか、3つのコツをお伝えします。専門業者への依頼、家族との話し合い、自分のペースの守り方。同じ立場の方への、実際の手順としての記録です。

夫が、亡くなって、半年が経ちました。

68歳の夫が、心臓の病気で、急に逝ってしまいました。 わたしも、68歳。

子どもは、息子ひとり。 息子は、結婚して、関東に住んでいます。 わたしは、長野で、夫とふたりで暮らしていました。

夫が逝った後、わたしは、ひとり身に、なりました。

そして、夫の遺品整理を、ひとりで、進めなければ、なりませんでした。

家中に、夫の物が、たくさん、ありました。

  • 夫の書斎(本2,000冊以上、書類、写真、文房具)
  • 夫の衣類(タンス3つ、約500点)
  • 夫の趣味の道具(鉄道模型、カメラ、登山道具)
  • 夫の仕事関係の資料(段ボール30箱)
  • ガレージ(工具、車のメンテナンス用品)

ぜんぶ、わたしひとりで、整理する必要が、ありました。

夫が、亡くなってから、最初の3ヶ月、わたしは、何も、手をつけられませんでした。

夫の物を、見るたびに、悲しくて、動けなかったのです。

4ヶ月目から、ようやく、少しずつ、始めて、半年で、ほぼ、ぜんぶ、整理が、終わりました。

この記事では、わたしが、ひとりで、半年で、進めた、3つのコツを、お伝えします。

お断り:この記事は、わたし個人の体験です。遺品整理のペース、進め方、費用は、ご家庭ごとに違います。ご自分のペースで、無理なく、進めてください。

コツ① 「3つの箱」を、最初に用意する

遺品整理の、いちばんのコツは、わたしの場合は、これでした。

「3つの箱」を、最初に、玄関に、用意することです。

3つの箱は、こうです。

  • 「残す」箱(大きさ: みかん箱くらい)
  • 「捨てる」箱(大きさ: 段ボール大)
  • 「迷う」箱(大きさ: みかん箱くらい)

夫の物を、ひとつずつ、手に取って、この3つのどれかに、入れる。

迷うものは、「迷う」箱に入れて、判断を、先延ばしにする。

これだけ、です。

なぜ「迷う」箱が、大事だったか

夫の物のうち、半分以上は、最初は、「迷う」でした。

  • 夫が、若い頃に書いた手紙
  • 夫が、新婚旅行のときに、わたしに買ってくれたお土産(マグカップ)
  • 夫が、息子の幼稚園のときに、息子に作ってあげた、紙のロボット
  • 夫が、毎晩使っていた、湯のみ

これらは、「捨てる」が、できませんでした。 かといって、「残す」と決めても、家のなかに、置く場所が、ありません。

「迷う」箱に、ぽんと、入れる。

これで、判断のストレスから、解放されて、次のものに、進めるのです。

「迷う」箱は、半年で、3箱に、なりました。

最後の月に、「迷う」箱を、もう一度、開けて、ゆっくり、見直しました。 そのときには、最初に迷っていたものの、ほとんどが、「捨てる」か「残す」に、自然と、振り分けられました。

3ヶ月、4ヶ月たって、自分の気持ちが、整理されていたから、です。

最初から「ぜんぶ判断しよう」と思わないで、「迷う」箱を活用することが、わたしには、いちばん大事なコツでした。

コツ② 専門業者を、上手に「使い分ける」

68歳のわたしひとりで、夫の物を、ぜんぶ整理するのは、物理的に、無理でした。

特に、書斎の本2,000冊、ガレージの工具、夫の仕事の段ボール30箱。

これらは、専門業者さんに、頼みました。

ただ、ぜんぶを、ひとつの業者さんに頼んだのでは、ありません。

3つの専門業者を、使い分けました。

業者① 古本買取業者(全国対応)

夫の書斎の本2,000冊は、古本買取業者に、頼みました。

ネットで、見積もりを取って、宅配で、本を箱詰めして送るだけ。

買取価格は、本によって、ピンキリでしたが、合計で、約3万円に、なりました。

これで、本は、新しい持ち主に、引き継がれました。

業者② リサイクルショップ(地元、出張買取)

夫の鉄道模型、カメラ、登山道具は、地元のリサイクルショップに、出張買取を、お願いしました。

朝9時に、ふたりの担当者が、家に来てくれて、その場で、見積もり。

3時間で、ぜんぶ、運び出してくれて、合計で、約8万円に、なりました。

カメラと鉄道模型は、思った以上に、高く買い取ってもらえました。

業者③ 遺品整理専門業者(本格的な大型整理)

ガレージの工具と、夫の仕事の段ボール30箱は、遺品整理専門業者さんに、お願いしました。

これが、いちばん、お金がかかりました。

専門業者さんが、3人、トラック1台で、半日かけて、ぜんぶ、運び出してくれました。

費用は、約25万円。

ただ、わたしひとりでは、絶対にできないことを、半日で、終わらせてくれました。

68歳のひとり身に、遺品整理専門業者さんは、本当に、ありがたい存在でした。

公的な情報源では、こう案内されています。

遺品整理業者を選ぶ際は、見積もりが明確で、契約内容を文書化してくれる業者を選ぶことが大切です

消費者庁「遺品整理サービスの留意点」

わたしも、3社から見積もりを取って、いちばん良心的な業者さんに、お願いしました。

業者を、使い分けた費用と効果

3つの業者の合計費用は、約25万円。 ただし、本とリサイクル品の買取で、約11万円戻ってきました。

実質、約14万円で、家のなかの夫の物の、約7割を、整理できました。

わたしひとりだったら、たぶん、1年以上かかった作業を、3つの業者さんで、3週間で、終わらせられました。

これは、本当に、よかったと、思っています。

コツ③ 「自分のペース」を、絶対に守る

3つめのコツは、これが、いちばん、難しかったかもしれません。

「自分のペースを、守る」こと、です。

息子からは、こう言われていました。

「お母さん、半年で、ぜんぶ整理しないと。それ以上、悲しみが、続くから」

息子の言うことも、わかりました。 ただ、わたしには、わたしのペースが、ありました。

最初の3ヶ月は、何もしないで、ただ、夫の物のあるリビングで、過ごしました。 4ヶ月目から、書斎の本だけ、整理しました。 5ヶ月目から、衣類とガレージ。 6ヶ月目で、ようやく、夫の仕事の段ボール。

息子は、「もっと、早く」と、言ってきましたが、わたしは、自分のペースで、進めました。

そして、息子に、こう言いました。

「悲しみは、いまも、続いてる。でも、わたしが、自分のペースで、整理する権利は、わたしのもの」

息子は、それで、納得してくれました。

自分のペースを、守るための、3つの工夫

自分のペースを守るために、わたしがやった工夫は、3つです。

ひとつめ、家族や友人に「いつ整理するか」を、宣言しない。 「半年でやる」と宣言すると、達成できなかったときに、自分を責めます。 「いつかやる」「自分のペースで」と、ぼんやりさせておくのが、いいです。

ふたつめ、悲しい日は、整理を、しない。 悲しい日に、無理して整理すると、夫の物を、感情で、雑に扱ってしまいます。 落ち着いた日、ゆっくりした午後だけ、整理する、と決めました。

みっつめ、1日に整理する量を、決める。 「今日は、書斎の本棚、1段だけ」「今日は、タンスの引き出し、1つだけ」と、小さく、決める。 これで、達成感が、毎回、出ます。

半年で、終わって、いま思うこと

半年経って、夫の遺品整理は、ほぼ、終わりました。

家のなかは、ずいぶん、空きました。 ですが、夫が、消えたわけでは、ありません。

「残す」と決めた、夫の物は、家のあちこちに、大事に、置かれています。

  • 夫が、わたしに買ってくれた、新婚旅行の、マグカップ(寝室の窓辺)
  • 夫が、息子に作った、紙のロボット(リビングの飾り棚)
  • 夫が、書いた手紙(寝室の引き出し、わたしの宝物)
  • 夫の、お気に入りの、登山ジャケット(玄関のフックに、いまも、かけてある)
  • 夫の、湯のみ(毎朝、わたしが、お茶を入れて、夫の遺影のそばに、お供え)

これらは、いまも、夫が、家のなかに、いる印に、なっています。

整理は、夫を、捨てることでは、ありませんでした。

整理は、夫の存在を、家のなかに、ちゃんと、しまうこと、でした。

同じ立場の方へ

もし、いま、ご主人(またはご家族)を、亡くされて、遺品整理に、向き合っている方が、いらっしゃるなら、申し上げたいことが、ふたつあります。

ひとつめ、ご自分のペースで、進めてください。

世間の「半年で」「1年で」というプレッシャーに、振り回されないでください。 3年でも、5年でも、ご自分のペースで、進めて、いいのです。

ふたつめ、専門業者さんを、上手に、お使いください。

「自分でぜんぶ」と思わずに、本、リサイクル、大型整理、それぞれの専門業者さんに、頼ってください。 お金は、かかりますが、ひとりで抱え込むよりは、はるかに、ご自分の心が、保たれます。

そして、遺品整理は、ご主人(またはご家族)を、捨てることでは、ありません。

ご主人を、ご家族を、家のなかに、ちゃんと、しまうこと、です。

それを、忘れずに、ご自分のペースで、進めてください。

なお、遺品整理に関する、業者選びや、費用、相続関連の手続きは、ケースによって、大きく違います。具体的なご相談は、必ず、消費者庁、地元の自治体、または、信頼できる業者にご相談ください。

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#60代 #夫婦 #認知症