熟年の別居、生活費はどうなる?婚姻費用のこと
離婚の前に、まず別居を考える方は多いもの。でも気になるのは別居中の生活費です。実は、別居しても夫婦には生活費を分担する義務があり、これを婚姻費用といいます。友人の別居に付き添った65歳のわたしが、調べてわかったしくみと請求の流れを、やさしくお伝えします。
「離婚まで、決めきれない。でも、いったん、離れて、暮らしたい」
熟年離婚を、考えるとき、その前の、一歩として、別居を、選ぶ方は、多いと思います。
わたしの、友人の、和子さんも、そうでした。
ですが、和子さんが、いちばん、心配していたのは、お金のこと。
「別居したら、生活費は、どうなるの? 専業主婦だった、わたしは、暮らして、いけるの?」
その、和子さんに、付き添って、調べたときに、知ったのが、「婚姻費用」という、しくみでした。
今日は、その、別居中の、生活費と、婚姻費用について、わたしが、調べて、わかったことを、やさしく、お伝えします。
「別居したいけれど、お金が、不安で、動けない」という方に、ひとつの参考に、なればと思います。
なお、これは、わたしが、友人に付き添った、体験と、調べたことです。個別の事情によって、大きく変わりますので、具体的な判断は、必ず、弁護士などの、専門家に、ご相談ください。
別居しても、生活費を、分担する義務がある
まず、いちばん、大事なことから、お伝えします。
夫婦は、別居しても、離婚するまでは、お互いの、生活を、支え合う、義務が、あります。
そのために、分担する、お金のことを、婚姻費用と、いいます。
婚姻費用とは、衣食住の費用や医療費など、夫婦が通常の社会生活を維持するために必要な生活費のことです。夫婦は、別居中であっても、その資産や収入などに応じて、婚姻費用を分担する義務があります。 (出典:裁判所「婚姻費用の分担請求調停」)
つまり、収入の、多い側は、別居中の、相手の、生活費を、支える、義務が、あるのです。
「別居したら、一円も、もらえない」わけでは、ありません。
和子さんは、これを、知って、「それなら、考えられる」と、少し、顔色が、明るく、なりました。
いくら、もらえるの?
では、婚姻費用は、いくら、くらいに、なるのか。
金額は、夫婦の、収入や、事情によって、変わりますが、目安として、裁判所が、「算定表」というものを、公表しています。
お互いの、年収を、あてはめると、おおよその、月額が、わかる表です。
「婚姻費用 算定表」で、調べると、裁判所の、ホームページで、見ることが、できます。
たとえば、夫が、年金と、再雇用の収入で、妻が、専業主婦なら、その、収入差に、応じた、月額が、目安に、なります。
年金しか、収入がない、ご夫婦でも、収入の差が、あれば、分担の、対象に、なります。
どうやって、請求するの?
婚姻費用は、待っていても、自動では、もらえません。
流れとしては、こうなります。
① まず、夫婦で、話し合う
別居を、始めるとき、「月々、いくら、渡してもらうか」を、話し合いで、決められれば、それが、いちばん、簡単です。
決めた内容は、口約束に、せず、書面に、残しておくと、安心です。
② 話し合えないときは、調停へ
話し合いが、できない、応じてもらえない、ときは、家庭裁判所に、「婚姻費用の分担請求調停」を、申し立てられます。
調停では、調停委員が、あいだに、入って、話を、進めてくれます。
相手と、顔を、合わせずに、話せる場合が、ほとんどです。
③ 請求は、早めに
ここで、大事な、注意点を、ひとつ。
婚姻費用は、一般的に、「請求したとき」からの分が、対象に、なりやすいと、されています。
つまり、別居してから、黙って、我慢していた期間の分は、あとから、さかのぼって、もらうのが、難しいことが、あるのです。
別居したら、早めに、請求の、意思を、伝えること。
これが、とても、大切です。
和子さんの、場合
和子さんは、結局、別居を、選びました。
最初は、ご主人が、「別居するなら、金は、渡さない」と、言っていたそうです。
ですが、和子さんが、婚姻費用の、しくみを、伝え、調停も、考えていると、話したところ、話し合いに、応じて、くれました。
いまは、毎月、決まった額を、受け取りながら、離れて、暮らしています。
「お金の、しくみを、知っていたから、対等に、話せた。知らなかったら、泣き寝入り、だったと思う」
和子さんは、そう、言っています。
別記事(熟年離婚の準備、わたしの友人が1年かけてしたこと)にも書いたように、お金の、知識は、自分を、守る、力になるのです。
別居は、離婚への、一本道ではない
誤解のないように、お伝えしたいのですが、別居は、必ずしも、離婚に、つながる、わけでは、ありません。
離れて、暮らすうちに、お互いの、大切さに、気づいて、また、一緒に、暮らし始めた、ご夫婦も、わたしの、まわりには、います。
別記事(定年後夫婦、年2回の『一週間別居』という新しいかたち)のように、短い、別居を、夫婦の、風通しに、使う、かたちも、あります。
距離を、置いて、考える時間を、持つ。
そのあいだの、生活費には、婚姻費用という、支えが、ある。
そう、知っておくだけで、選択肢は、ぐっと、広がります。
離婚まで、進むときは
もし、別居の先に、離婚を、決めたときは、財産分与や、年金分割など、決めることが、増えます。
くわしくは、別記事(熟年離婚の財産分与、わたしが知った3つの落とし穴)も、参考に、してください。
弁護士に、相談する場合の、費用の、目安は、別記事(離婚弁護士の費用相場と『安く頼む』5つの方法)に、書いています。
多くの、自治体では、無料の、法律相談も、ありますから、まずは、そこから、始めるのも、いいと思います。
さいごに
別居しても、離婚するまでは、夫婦には、生活費を、分担する、義務が、あります。
それが、婚姻費用です。
金額の、目安は、裁判所の、算定表で、わかります。
話し合いで、決められないときは、家庭裁判所の、調停という、道があります。
そして、請求は、早めに。
「お金が、不安で、動けない」と、感じている方も、しくみを、知れば、選択肢は、広がります。
ひとりで、抱え込まず、専門家の、力も、借りながら、あなたが、納得できる道を、探してみてください。
熟年離婚の、全体像を、知りたい方は、別記事(熟年離婚を考えはじめた50〜60代妻の完全ガイド)も、あわせて、ご覧ください。
なお、婚姻費用の金額や、手続きは、ご夫婦の事情によって、大きく変わります。お金や、離婚のことは、必ず、弁護士などの、専門家に、ご相談ください。
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