定年後夫婦、年2回の『一週間別居』という新しいかたち
夫が定年退職して、毎日24時間ふたりで過ごすことが、しんどくなった65歳のわたしと夫が、2年前から始めた『年2回、一週間の別居』というかたち。実家への帰省、友人との旅行、自分ひとりの宿泊。お金、進め方、夫婦の合意、そして実際の効果を、具体的にお伝えします。
夫が65歳で定年退職して、わたしたち夫婦は、毎日24時間、ふたりで過ごすようになりました。
別記事(熟年離婚を真剣に考えて、3年かけてやめた話)に書いたように、定年後の半年、わたしは、息苦しさを、強く感じていました。
そこで、わたしと夫は、3年前から、ひとつの取り組みを、始めました。
「年2回、それぞれが一週間、家を離れる」
具体的には、こうです。
- 春: わたしが、一週間、家を離れる
- 秋: 夫が、一週間、家を離れる
これは、別記事に書いた「卒婚」とは違います。 法律上は普通の夫婦、住んでいる家もひとつ、家計もひとつ。 ですが、年に2週間だけ、お互いに「ひとり」になる、というかたちです。
3年続けて、これが、わたしと夫の、いちばんの夫婦継続の秘訣に、なっています。
この記事では、わたしたちの「年2回、一週間別居」のかたち、お金、進め方、そして3年の効果を、お伝えします。
お断り:この記事は、わたしと夫の取り組みです。ご家庭ごとに合うかたちは違いますので、ヒントとして、お読みください。
なぜ「一週間」なのか
「一週間」という長さに、こだわったのは、3つの理由があります。
ひとつめ、3日では、短すぎる。 3日くらいの離れ方では、お互いに、「すぐ会える」という感覚が、消えません。
ふたつめ、1ヶ月では、長すぎる。 1ヶ月以上離れると、お互いの生活が、完全に独立して、戻ったときの違和感が、強くなります。
みっつめ、一週間は、「離れた感」と「戻ってきた喜び」の、両方が、ちょうど良いバランス。 ひとりで7日過ごすと、3日目くらいから、相手のいいところが、ぼんやり浮かんできます。 そして、7日目に戻ったときに、お互いに「ああ、家がいい」と、思えるのです。
わたしの春の一週間(去年と一昨年の実例)
春の一週間は、わたしの番です。
過去2年、わたしがやったことを、具体的に、お伝えします。
一昨年(63歳)の春
- 1〜3日目: 実家(母のところ)に、泊まりに行く
- 4〜5日目: 大学時代の親友(別記事の純子さん)と、京都の旅
- 6〜7日目: ひとりで、近所のビジネスホテルに泊まり、本を読む
合計の費用: 約8万円(交通費、宿泊費、食費、お土産代)
去年(64歳)の春
- 1〜2日目: 妹のところに、泊まりに行く(妹は新幹線で2時間)
- 3〜5日目: 友人2人と、温泉旅行(別記事の由美子さん、絵里さんと)
- 6〜7日目: 母の家に、もう一度
合計の費用: 約7万円
予算は、毎年8万円までと、わたしと夫で、決めています。
夫の秋の一週間(去年と一昨年の実例)
秋の一週間は、夫の番です。
夫がやったことを、お伝えします。
一昨年(64歳)の秋
- 1〜3日目: 学生時代の友人(関西在住)と、京都の鉄道旅
- 4〜5日目: ひとりで、長野の温泉宿に泊まる
- 6〜7日目: 関東の鉄道旅(夫のひとり趣味)
合計の費用: 約9万円
去年(65歳)の秋
- 1〜2日目: 会社の元同期と、ゴルフ(2泊3日)
- 3〜5日目: 夫の弟夫婦の家(青森)に、泊まりに行く
- 6〜7日目: ひとりで、近所の温泉宿
合計の費用: 約10万円
夫の予算も、毎年10万円までと、決めています。
夫婦合意の「6つのルール」
3年続けるために、わたしと夫で、6つのルールを、決めました。
ルール① 予算は、家計から出す(自分の小遣いから、ではない)
これが、いちばん大事なルールです。
「自分の楽しみのために、自分のお金で行く」のではなく、「夫婦の関係を保つために、家計から出す」と位置づけたのです。
これで、お互いに、罪悪感がなく、楽しめます。
ルール② 行き先は、お互いに、共有する
旅行先、宿泊先、誰と会うか、ぜんぶ、お互いに、事前に共有します。 これは、心配のためではなく、信頼のためです。
「お前、何してたの?」が、なくなります。
ルール③ 1日1回、ショートメールを送る
「無事に着いた」「今日、〇〇に行った」「明日は△△」、こんな短いメッセージを、1日1回、お互いに送ります。
長電話は、しません。 ただ、「無事を確認するだけ」のショートメッセージ。
これで、お互いに、安心できます。
ルール④ 残る方は、家のことを、完璧にしなくていい
わたしが家を離れている間、夫は、家事を「完璧」にしなくていい、と決めました。 コンビニのお弁当でも、外食でも、掃除しなくても、構わない。
これで、夫が、わたしの不在を、ストレスに感じなくなります。
夫が留守の時も、わたしも、同じ。 ぜんぶ手抜きで、構わない、と。
ルール⑤ 戻ってきた日の夕食は、ふたりで「家でご馳走」
7日目の夜、戻ってきた方の、好きなものを、ふたりで作って、食べます。
「お帰り」の儀式、です。
豪華な外食ではなく、家のキッチンで、ふたりで、作る。
これが、わたしたちの、戻ってきた日の、お約束です。
ルール⑥ 次の「自分の番」を、楽しみに、暮らす
別居から戻ってきた、その日から、次の自分の番を、楽しみに、暮らす。
これは、心の持ち方のルール、です。
「年に1回、自分のための時間が、ある」 これを知っているだけで、日常の中の小さなストレスが、ぐっと、軽くなります。
3年で、夫婦の関係はどう変わったか
3年続けて、わたしと夫の関係は、こう、変わりました。
変化① 普段の日常が、お互いに、ありがたく感じる
別居から戻ってくると、「家がいい」「夫がいい」と、自然に、感じます。 これは、普段は、なかなか、感じられないことです。 年に2回、これを感じる機会があると、夫婦の日常が、明らかに、温かくなります。
変化② 衝突が、減った
夫婦で衝突する原因の多くは、「お互いに、相手のことしか見えていない」状態から、来ます。 別居の一週間は、相手から、強制的に、視線が外れます。 お互いに、自分のことだけを、考える時間。 そのリフレッシュ効果で、戻った後の衝突が、ぐっと、減りました。
変化③ 自分の人生の、楽しみが、戻ってきた
別居中、わたしは、わたしのために、時間を使えます。 本を読む、温泉に入る、友人と話す、自分の興味のあることに、思いきり、向き合う。 これが、自分の人生に、輝きを、戻してくれます。 65歳のわたしが、まだ、自分の人生を、楽しめるんだ、と、確認できる時間です。
変化④ 夫の自立心が、強くなった
夫は、わたしが家を離れている一週間、家事を、ひとりでこなします。 最初の頃は、コンビニ生活でしたが、3年経って、簡単な料理(カレー、焼きそば、肉野菜炒め)は、できるようになりました。 これは、もしわたしが先に逝った場合の、夫の自立にも、つながります。
「一週間別居」を始めたい方へ、3つのアドバイス
もし、これを読んで、「うちも試してみたい」と思った方に、3つのアドバイスを、お伝えします。
アドバイス① 最初は「3日」から、始める
いきなり一週間は、ハードルが高いかもしれません。 最初は、お互いに、3日から、試してみてください。 3日の別居を、何回か続けて、慣れてきたら、一週間に伸ばす。 これが、いちばん安全な、進め方です。
アドバイス② 「離婚への準備?」と、夫(妻)を心配させないようにする
「別居」というと、離婚を連想する方が、いらっしゃいます。 最初に夫(妻)に話すときは、こう、はっきり伝えてください。
「お互いに、年に1週間、自分のための時間を持つことで、夫婦をもっと長く続けたい」
ふたりで決めた、「卒業ではなく、継続のための、別居」だと、最初に共有することが、いちばん大事です。
アドバイス③ 「予算」を、事前に決めておく
「いくらまで使っていいか」を、最初に決めておかないと、後で揉めます。
わたしたちは、ふたり合計で、年に18万円(春8万円、秋10万円)と、決めました。 これくらいの予算なら、年金生活でも、捻出できます。
公的な情報(参考)
別居や、夫婦関係に関する公的な情報は、こちらをご参考に。
公的な情報源では、こう案内されています。
民法上、別居自体に法律的な手続きは不要ですが、長期化する場合や、戸籍上の手続きが必要な場合は、専門家への相談を
わたしたちのような「年2回、一週間」の短期別居は、特別な手続きは、必要ありません。 ただ、家計の整理、税制上の影響、戸籍上の取り扱いなどで、ご質問がある場合は、税理士や弁護士に、ご相談ください。
さいごに
「定年後の夫婦、毎日24時間一緒で、しんどい」という方は、たぶん、多いと思います。
ですが、離婚するほどでもない、卒婚するほどでもない。
そんなときに、「年に2回、一週間だけ、別居する」というかたちが、ひとつの選択肢として、あります。
3年続けてみて、わたしと夫は、この一週間別居が、夫婦継続の、いちばんの秘訣に、なっています。
お互いに、家を離れて、お互いに「家がいい」と気づく。 これを年に2回、繰り返すことで、夫婦の関係は、明らかに、長続きします。
お試しを検討される方には、まず「3日から」と、お伝えしたいです。
なお、夫婦の取り組みは、ご家庭ごとに合うかたちが違います。ご家族で、よくご相談のうえ、お試しください。
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