ヨバナシ —女たちの秘密会議
友人関係

60代で友達がほしいと思った日、わたしが行った3つの場所

ヨバナシ編集部 読了 約6分

60代になって、ふと「友達がほしい」と思った日。新しい友達を作るなんて、いまさら無理だと思いこんでいたわたしが、実際に行ってみて「ここなら大丈夫」と思えた3つの場所を、具体的にお伝えします。図書館、市民講座、地域のカフェ。どこも、お金がほとんどかからず、強引な人間関係も生まれない、60代に合う場所でした。

64歳になって、わたしは「友達がほしい」と、初めて思いました。

それまで、友達は減る一方で、自分から増やそうという気持ちは、まったくありませんでした。

64歳の春、夫が単身赴任から戻ってきて、ふと、こう感じたのです。

「夫以外に、自分から声をかけられる人が、ひとりもいない」

長年連れ添った夫がいてくれることは、ありがたいことです。 でも、夫だけが「自分の世界」の全部だと、何かのときに、心が逃げる場所がないのです。

40代、50代の友達作りなら、職場や、子どもの母仲間が、自然と作ってくれました。 60代になって、ゼロから友達を作るのは、本当に難しいと、最初は思いました。

ですが、半年間、いくつかの場所を試してみて、わたしには「ここならいけそう」と思えた場所が、3つありました。

この記事では、その3つの場所について、お伝えします。お金もほとんどかからず、いやな勧誘もなく、無理せず通えた場所だけです。

場所① 地元の図書館の「読書会」

最初に行った場所は、地元の図書館でした。

きっかけは、図書館の入り口の掲示板に貼ってあった、A4の手書きのチラシでした。

「毎月第3木曜日、午後2時から、シニア向け読書会を開いています。参加無料、誰でも参加できます」

参加してみたのは、64歳の5月でした。

参加者は、わたしを入れて8人。男性が3人、女性が5人。 年齢は、いちばん若い方で55歳、いちばん年配の方で78歳でした。

進め方は、シンプルでした。

その月の本(毎月1冊、図書館のスタッフが選ぶ)を、参加者がそれぞれ読んできて、感想を5分くらいずつ話す。

そのあと、お茶を飲みながら、雑談する。

これだけです。

良かったことは、3つありました。

ひとつめは、話題が「本」に固定されているので、自己紹介や、家族の話を、最初からしなくていいことです。 60代になると、いきなり「ご家族は?」と聞かれると、いろんな事情がある方には、答えにくいのです。本の話なら、誰でも対等に話せます。

ふたつめは、月1回で済むことです。 週1だと、しんどい日もあります。月1なら、続けやすいのです。

みっつめは、参加費が無料なことです。 お金がからむ集まりは、長く続けるのに気を遣います。図書館の読書会は、無料で、しかも市が運営してくれているので、安心して通えました。

3年通って、6人と、自然に顔見知りになりました。 そのうち2人とは、読書会のあとで、近くの喫茶店でもう少しおしゃべりするようになりました。

これが、64歳のわたしの、最初の「新しい知り合い」でした。

場所② 公民館や市民センターの「単発講座」

ふたつめは、公民館や市民センターでやっている「単発の講座」です。

何が良いかというと、「1回だけ」で完結することです。

連続講座だと、途中でしんどくなって行けなくなったとき、罪悪感が残ります。 単発の講座なら、その日だけです。

わたしが参加した単発講座は、こんなものでした。

  • 「終活のための、エンディングノートの書き方」(2時間、参加費500円)
  • 「シニアのためのスマホ写真教室」(2時間、参加費無料)
  • 「相続税の基本と最新の改正」(1時間半、参加費無料)
  • 「シニアのための簡単ヨガ体験会」(1時間、参加費300円)

ぜんぶ、参加費が1,000円以内です。

そして、講座の最後の30分、お茶の時間があって、参加者同士で少し話すのです。

「今日の話、難しかったですね」 「うちも、子どもにエンディングノートのこと、伝えにくくて」 「スマホで写真撮るの、本当に楽しいですね」

そういう、その日に共通の話題があるので、初対面でも自然に話せます。

3つ目に参加した「相続税」の講座で、わたしは同じ町内の方とお会いしました。

「あら、わたしも〇丁目に住んでいるんですよ」

それがきっかけで、月1回、近所のカフェでお茶をする間柄になりました。

64歳の春から始めて、いま65歳のわたしには、こうして1人、近所の知り合いが増えました。

場所③ 平日朝の「地域のチェーンカフェ」

これは、すぐに友達ができる場所ではありません。

でも、わたしには、いちばん「いつでも行ける居場所」になっているところです。

平日の朝、9時から10時くらいに、家から徒歩10分の、ドトールのような地域のチェーンカフェに、わたしは週2回通っています。

理由は、こうです。

朝のカフェには、わたしと同じくらいの年代の方が、何人か来ています。 新聞を読んでいる男性。 読書をしている女性。 パソコンを開いている方。

みんな、ひとりで来て、静かに過ごしています。

ここで、無理に話しかけたりはしません。

でも、半年通っているうちに、店員さんは私を覚えてくれて、「いつものブレンドですね」と声をかけてくれます。 週2回顔を合わせる70代の女性とは、軽い会釈を交わすようになりました。

「友達」というほどではありません。

でも、「ひとりじゃない時間と場所がある」と思えるだけで、心の張りが、ぜんぜん違うのです。

カフェは、500円以内で済みます。

家にひとりでいてため息をついている時間より、500円払ってカフェの空気の中にいる方が、わたしには、はるかに健康にいいと、いま実感しています。

行ってみて合わなかった、3つの場所

ついでに、わたしが行ってみて「合わなかった」場所も、正直にお伝えします。

ひとつめは、市の体操サークル(週1)です。 良い活動なのですが、半年通ううちに、「来週も来ますよね」というプレッシャーが、わたしには負担でした。月1ペースのサークルもあるので、そういうものを探した方がいいかもしれません。

ふたつめは、有料のシニア向けカルチャースクールです。 月1万円の月謝が、固定的にかかります。それより、市民講座のほうが、わたしには続きやすかったです。

みっつめは、SNSのオンライン交流会です。 画面越しに会話するのは、わたしには疲れました。やはり、対面で同じ場所にいる空気のほうが、わたしには合っていました。

人によっては、これらが合う方ももちろんいらっしゃると思います。 わたしの場合は、合いませんでした、ということだけ、お伝えします。

60代の友達作り、3つのコツ

半年いろいろ試してみて、わたしなりに気づいた、60代の友達作りのコツが、3つあります。

ひとつめは、「最初から友達を作ろうとしない」ことです。 最初は「行ってみる」だけ。気が合いそうな人がいたら、自然と話せばいい。プレッシャーをかけないことが、何より大事でした。

ふたつめは、「無料か、低額のところを選ぶ」ことです。 お金がからむと、続けることが目的になってしまいます。続けやすさを優先しました。

みっつめは、「自分の話を最初からしない」ことです。 60代になると、家族の話、健康の話、お金の話、いろんな事情を抱えています。最初から自分の話をすると、相手も話を返さなければと気を遣います。最初は、共通の話題(その日の天気、本の感想、講座の内容)だけで、十分です。

あわせて読みたい

さいごに

64歳で「友達がほしい」と思ったわたしは、いま65歳になりました。

新しい知り合いが、3人できました。

「友達」と呼ぶには、まだ早いです。 でも、「夫しかいない」ではなく、「3人くらいは、たまに会える人がいる」というだけで、わたしの60代の世界は、ずいぶん広くなりました。

新しい友達を作るのに、年齢は関係ありません。

ただし、若い頃と同じやり方では、難しいです。

無理せず、お金をかけず、ゆっくり通える場所を選ぶこと。

これが、60代の友達作りの、わたしなりの答えでした。

もし、いま、「友達がいない」と感じている方がいたら、家から徒歩15分以内の図書館か公民館に、まず一度、行ってみてください。

掲示板を見るだけでも、何かが始まります。

わたしも、最初は掲示板を見るだけでした。

そこから、1年で、ずいぶん変わりました。

= 関連する夜話 =

友人関係

60代で友達を1人作るのに、わたしは7回断られた話

60代になって友達がほしいと思い、半年で7回、誘いを断られました。同じ町内の方、読書会のお知り合い、義姉、夫の同僚の奥さん、保健センターで隣の席になった方。断られるたびに、わたしの中に芽生えた『もう年だから人と関わるのはやめよう』という気持ちを、最後にひっくり返してくれた、8回目の話です。

#60代 #友達作り #体験談