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コラム

= COLUMN =

病院の待合室で、友達ができた話

ヨバナシ編集部 読了 約4分

膝のリハビリで通う整形外科の待合室。毎週同じ時間に会うおばあさんと、いつしか言葉を交わすようになりました。名前も知らないまま始まった、週に一度の待合室のおしゃべり。66歳のわたしに思いがけずできた新しい友達の話を、ゆっくりお伝えします。

「60代を過ぎて、新しい友達なんて、できるのかしら」

そう、思っていた、わたしに、思いがけない、場所で、友達が、できました。

病院の、待合室です。

今日は、その、膝の、リハビリで、通う、整形外科で、生まれた、新しい、友情の話を、お伝えします。

「この歳で、友達なんて」と、あきらめかけている方に、ひとつの参考に、なればと思います。

なお、これは、わたし個人の、体験です。人との出会いは、それぞれです。あくまで、ひとつの話として、お読みください。

毎週火曜、10時の待合室

66歳の、春から、わたしは、膝の、リハビリで、近くの、整形外科に、通い始めました。

毎週、火曜日の、朝10時。

決まった、時間に、通っていると、待合室の、顔ぶれも、だいたい、決まってきます。

その中に、いつも、同じ、席に座る、わたしと、同じ年頃の、女性が、いました。

いつも、きちんと、アイロンの、かかった、ブラウスを、着て、文庫本を、読んでいる。

なんとなく、感じの、いい方だなあ、と、思いながら、何週も、過ぎていきました。

「お先にどうぞ」から、始まった

きっかけは、ほんの、小さなことでした。

ある日、リハビリ室の、順番が、同時に、なって、わたしたちは、顔を、見合わせました。

「お先に、どうぞ」 「いえいえ、そちらこそ」

ふたりで、譲り合って、ふふっと、笑って。

その次の週から、目が、合うと、会釈を、するように、なりました。

そのまた、次の週には、「今日は、蒸しますね」と、ひとこと。

さらに、次の週には、「膝、いかがですか」と、おたがいの、リハビリの話。

階段を、一段ずつ、上るように、少しずつ、言葉が、増えていきました。

別記事(60代で友達がほしいと思った日、わたしが行った3つの場所)にも書きましたが、出会いの、場所は、思いがけない、ところに、あるものです。

名前も知らないまま、半年

おかしな話ですが、わたしたちは、半年ものあいだ、おたがいの、名前を、知りませんでした。

毎週、会って、膝の話、天気の話、待合室の、テレビの話。

それだけの、間柄。

でも、火曜日の、朝が、少しずつ、楽しみに、なっている、自分に、気づいていました。

リハビリは、正直、痛くて、億劫です。

それでも、「あの方に、会えるし」と、思うと、家を、出る足が、軽くなる。

名前も、知らない人が、通院の、支えに、なっていたのです。

「わたし、佐藤と申します」

名前を、交換したのは、出会って、半年後の、こと。

その日、彼女の、リハビリが、終わるのが、遅くて、わたしは、なんとなく、待合室で、待っていました。

出てきた、彼女は、わたしを見て、おどろいて、それから、うれしそうに、笑いました。

「まあ、待っていて、くださったの?」

「ええ、なんとなく。よかったら、帰りに、お茶でも」

病院の、そばの、喫茶店で、初めての、お茶。

そこで、やっと、おたがいに、名乗りました。

「わたし、佐藤と、申します」 「まあ、わたしは、田中です。半年も、お名前、知らないままで」

ふたりで、大笑いしました。

膝のリハビリと、心のリハビリ

佐藤さんとは、いまも、毎週、火曜日に、会っています。

リハビリの、あとの、お茶が、定番に、なりました。

聞けば、佐藤さんも、ご主人を、亡くされてから、人と、話す機会が、めっきり、減っていたそうです。

「病院で、友達が、できるなんて、思わなかったわ。膝の、リハビリに、来て、心の、リハビリに、なっちゃった」

佐藤さんの、その言葉が、わたしは、大好きです。

別記事(友人と始めた朝の散歩、続いた1年の話)にも書きましたが、60代の、友情は、「定期的に、顔を合わせる」ことから、育つのだと、つくづく、思います。

60代の友達づくりに、特別な場所はいらない

この体験から、わたしが、学んだことは、こうです。

友達づくりに、特別な、場所は、いらない。

サークルや、習い事も、いいけれど、通院、買い物、散歩の道。

毎週、同じ時間に、同じ場所に、いれば、そこには、同じ顔ぶれが、あります。

あとは、ほんの、ひとこと。

「お先に、どうぞ」 「今日は、蒸しますね」

その、ひとことの、階段を、ゆっくり、上っていけば、いいのです。

急がなくて、いい。

半年、名前を、知らなくたって、いいのですから。

さいごに

膝の、リハビリで、通った、整形外科の、待合室で、わたしに、新しい友達が、できました。

「お先にどうぞ」から、始まって、会釈、天気の話、膝の話、そして、帰り道の、お茶。

名前を、知ったのは、半年後、でした。

60代の、友達づくりは、ゆっくりで、いいのです。

毎週、同じ場所に、通うことが、あるなら、そこは、もう、出会いの、場所。

顔なじみの、あの方に、今度、ひとこと、かけてみて、ください。

「今日は、いいお天気ですね」

その、ひとことから、始まる友情が、あるかもしれません。

友達づくりの、ヒントを、もっと、知りたい方は、別記事(60代から友人を作り直す、5つのステップ完全ガイド)も、あわせて、ご覧ください。

なお、人との出会い方は、人それぞれです。ご自分の、ペースで、無理のない、一歩を、踏み出してみてください。

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