ヨバナシ —女たちの秘密会議
相続

相続の限定承認、わたしが検討した理由と仕組み

ヨバナシ編集部 読了 約6分

親に借金があるかもしれない。でも財産も残したい。そんな時の選択肢が『限定承認』です。65歳のわたしが、父の相続で限定承認を検討した経験から、単純承認・相続放棄との違い、手続きの流れ、注意点を、公的な情報と一緒にお伝えします。相続の方法で迷う方へ。

65歳のわたしが、父の相続のとき、検討した、相続の方法に、「限定承認」が、あります。

父が、亡くなったとき、父に、借金が、あるかもしれない、という、不安が、ありました。

でも、父が、残してくれた、実家や、預貯金は、できれば、受け継ぎたい。

「借金が、あるかもしれないけど、財産も、残したい」

そんな、迷いの中で、わたしが、知ったのが、限定承認、という、相続の方法でした。

今日は、その、限定承認について、わたしが、検討した経験から、お伝えします。

「親に、借金が、あるかもしれない」「相続の方法で、迷っている」と、感じている方に、ひとつの参考に、なれば、と思います。

重要なお断り:この記事は、わたし個人の体験です。限定承認は、手続きが、複雑で、専門的な判断が、必要です。具体的なことは、必ず、弁護士、司法書士などの、専門家に、ご相談ください。

相続の、3つの方法

最初に、相続の、3つの方法を、整理します。

公的な情報源では、こう案内されています。

相続人は、相続について、単純承認、限定承認、相続放棄の、いずれかを、選択することができる

裁判所「相続の放棄の申述」

3つの方法は、こういう違いが、あります。

① 単純承認

  • プラスの財産も、マイナスの財産(借金)も、ぜんぶ、引き継ぐ
  • いちばん、一般的な、相続の方法
  • 何も、手続きしないと、自動的に、これに、なる

② 相続放棄

③ 限定承認

  • プラスの財産の、範囲内で、だけ、マイナスの財産(借金)を、引き継ぐ
  • 「借金が、あるかもしれないけど、財産も、残したい」ときの、選択肢

わたしの父の場合、借金が、あるか、はっきり、しなかったので、限定承認を、検討しました。

限定承認とは、どういうものか

限定承認を、もう少し、詳しく、説明します。

限定承認は、「相続した、プラスの財産の、範囲内で、だけ、借金を、返す」という、方法です。

たとえば、こういうケース。

  • 父の、プラスの財産: 2,000万円(実家+預貯金)
  • 父の、借金: もしかしたら、ある(金額が、はっきりしない)

限定承認を、すると、こう、なります。

  • もし、借金が、1,500万円なら → 2,000万円から、1,500万円、返して、500万円が、手元に残る
  • もし、借金が、3,000万円なら → 2,000万円の、範囲で、だけ、返せばよく、残りの、1,000万円は、返さなくて、いい

つまり、「財産より、借金が、多くても、自分の、もともとの、お金で、借金を、返す必要は、ない」。

これが、限定承認の、いちばんの、メリットです。

「借金が、あるか、わからない」「借金が、あっても、財産の範囲で、清算したい」という、ときに、向いています。

限定承認が、向いているケース

限定承認が、向いているのは、こういうケースです。

  • 親に、借金が、あるか、はっきり、しない
  • プラスの財産も、マイナスの財産も、両方、ありそう
  • どうしても、残したい財産(実家など)が、ある
  • 借金が、財産を、上回っても、自分の、お金は、使いたくない

逆に、こういう場合は、ほかの方法が、向いています。

  • 借金が、明らかに、ない → 単純承認
  • 借金が、明らかに、財産より、多い → 相続放棄

限定承認の、手続きの流れ

限定承認の、手続きを、お伝えします。

期限は、3ヶ月以内

限定承認は、「相続の開始を、知った日から、3ヶ月以内」に、手続きを、する必要が、あります。

別記事(相続放棄、3ヶ月のタイムラインを娘とつくる)に書いた、相続放棄と、同じ期限です。

この、3ヶ月の期限は、本当に、大事です。

相続人全員で、申述する

ここが、限定承認の、いちばん、難しいところ。

限定承認は、相続人、全員が、共同で、申述しないと、できません。

ひとりでも、反対する人が、いると、限定承認は、できないのです。

わたしの場合、相続人は、わたしと、弟の、2人。 2人で、話し合って、いっしょに、申述する、必要が、ありました。

家庭裁判所に、申述する

  • 亡くなった人の、最後の住所地を、管轄する、家庭裁判所
  • 限定承認の、申述書
  • 財産目録(プラスもマイナスも、財産を、ぜんぶ、リストにする)
  • 戸籍謄本など

申述後の、清算手続き

限定承認は、申述したあとも、大変です。

  • 官報に、公告を、出す(債権者に、知らせる)
  • 財産を、お金に、換える(換価)
  • 債権者に、財産の範囲で、返済する

この、清算手続きが、複雑なので、限定承認は、弁護士さんに、依頼するのが、一般的です。

わたしが、限定承認で、迷った理由

わたしは、最終的に、限定承認を、するか、迷いました。

その理由を、お伝えします。

迷い① 手続きが、複雑

限定承認は、相続放棄や、単純承認に、比べて、手続きが、本当に、複雑です。

財産目録の作成、官報公告、清算手続き。

これらを、自分で、やるのは、難しく、弁護士費用も、かかります。

迷い② 相続人全員の、同意が、必要

わたしと、弟、2人の、同意が、必要でした。

幸い、弟も、賛成して、くれましたが、もし、相続人の中に、ひとりでも、反対する人が、いたら、できませんでした。

迷い③ 税金の、注意点

限定承認には、税金の、注意点も、あります。

限定承認をすると、「みなし譲渡所得課税」という、税金が、かかる場合が、あります。

これは、専門的なので、税理士さんに、相談が、必要でした。

わたしが、最終的に、したこと

わたしは、まず、父の、借金の有無を、徹底的に、調べました。

  • 父の、通帳、郵便物を、確認
  • 信用情報機関(CIC、JICCなど)に、父の、借入情報を、照会
  • 父の、家を、調べて、借金の、督促状などが、ないか、確認

その結果、父には、借金が、ない、ことが、はっきり、しました。

そこで、わたしと弟は、限定承認では、なく、単純承認(普通の相続)を、選びました。

ただし、もし、借金の有無が、最後まで、はっきり、しなかったら、限定承認を、選んで、いたと、思います。

「限定承認、という、選択肢が、ある」と、知っていたことで、安心して、相続を、進められました。

わたしが、深く、思ったこと

父の相続で、限定承認を、検討して、わたしが、深く、思ったことを、お伝えします。

相続は、「単純承認か、相続放棄か」の、2択だけ、では、ありません。

限定承認、という、第3の選択肢も、ある。

そして、どの方法を、選ぶにしても、いちばん、大事なのは、「親の、財産と、借金の状況を、ちゃんと、調べること」。

別記事(親の通帳と印鑑、わたしが預かるまでに決めたこと)にも書いた、親の、お金の状況の、把握。

それが、できていれば、相続の方法も、ちゃんと、選べます。

公的な情報(参考)

相続の方法について、公的な情報源では、こう案内されています。

限定承認や、相続放棄を、する場合は、原則として、自己のために相続の開始があったことを知った時から、3か月以内に、家庭裁判所に、申述する必要がある

裁判所「相続の限定承認の申述」

限定承認は、手続きが、複雑なので、必ず、専門家に、ご相談ください。

さいごに

「親に、借金が、あるかもしれない。でも、財産も、残したい」

そんな時の、選択肢が、限定承認です。

プラスの財産の、範囲内で、だけ、借金を、引き継ぐ。

ただし、手続きが、複雑で、相続人全員の、同意が、必要で、税金の注意点も、あります。

わたしは、最終的に、父の借金が、ないと、わかったので、単純承認を、選びましたが、「限定承認、という、選択肢が、ある」と、知っていたことで、安心して、相続を、進められました。

相続の方法で、迷ったら、単純承認、相続放棄、限定承認の、3つを、知った上で、必ず、専門家に、相談しながら、ご自分に、合った方法を、選んでください。

なお、繰り返しになりますが、限定承認は、専門的な判断が必要です。具体的なことは、必ず、弁護士、司法書士などの、専門家に、ご相談ください。

= 関連する夜話 =

相続

相続した実家、空き家にしないために選んだ3つの道

母から相続した実家を、空き家のまま放置するか、悩んだ65歳のわたし。空き家問題のリスクを知り、3つの道(売る・貸す・活用する)を、ぜんぶ検討しました。それぞれのメリット・デメリット、わたしが最終的に選んだ道を、公的な情報と一緒に、お伝えします。実家の相続に悩む方へ。

#60代 #相続 #空き家

相続

相続放棄後3年で気づいた、本当に失ったもの

母の借金で相続放棄をしてから、3年が経ちました。手続きは無事に終わり、借金からも解放されました。ですが、3年経って、わたしは思いがけないものを、失っていたことに気づきました。それは、書類でも、お金でもなく、もっと、深いところにあるものでした。65歳のいま、振り返って書きます。

#60代 #相続放棄 #喪失

相続

60代の終活、わたしが始めたエンディングノート

65歳のわたしが、終活の第一歩として、エンディングノートを、書き始めました。何を書くのか、どこで手に入れるのか、遺言書との違い、書いてみて気づいたこと。終活を、難しく考えず、自分と家族のために始める方法を、公的な情報と一緒に、お伝えします。終活を考える方へ。

#60代 #終活 #エンディングノート