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コラム

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相続放棄をした義妹と、姉のわたしの距離感

ヨバナシ編集部 読了 約7分

夫の父が亡くなったとき、夫の妹(義妹)が、相続放棄を、選びました。3,000万円の財産を、ぜんぶ、夫が、相続。義妹の決断の理由、家族の話し合い、3年経った義妹とわたしの関係を、お伝えします。同じ立場の方の、家族関係のヒントに。

3年前、64歳のわたしの、義父(夫の父)が、87歳で、亡くなりました。

夫(姑の長男)と、夫の妹(義妹、62歳)が、相続人。

義母は、すでに、5年前に、亡くなって、いました。

通常、ふたりで、義父の財産を、半分ずつ、相続する、はずでした。

ですが、義妹は、相続放棄を、選びました。

3,000万円の、義父の財産を、ぜんぶ、夫が、相続することに、なりました。

「なぜ、義妹が、相続放棄を、選んだのか」 「義妹と、夫の関係は、どう、なったか」 「3年経った、いま、義妹と、わたしの関係は」

今日は、その3年の、わたしと義妹の、家族関係を、お伝えします。

なお、相続放棄に関する判断や手続きは、ご家庭ごとに、本当に、違います。具体的なご相談は、必ず弁護士、または、司法書士さんに、ご相談ください。

義父の、財産と、相続放棄まで

3年前、義父が、亡くなった、その秋。

夫と、義妹で、義父の財産を、整理しました。

義父の、財産

  • 持ち家(義父の実家): 評価額2,500万円
  • 預貯金: 800万円
  • 株式・投資信託: 200万円
  • 借金: なし
  • 合計: 3,500万円

通常の、相続分

通常、子ども2人で、半分ずつ。

夫: 1,750万円 義妹: 1,750万円

これが、基本のかたち、でした。

義妹の、申し出

義父の、四十九日が、終わって、義妹が、夫と、わたしを、自分の家に、呼びました。

そして、夫に、こう、言いました。

「お兄ちゃん、わたし、相続放棄、するから、ぜんぶ、お兄ちゃんが、受け取って、ね」

夫は、最初、驚いていました。

「え、なんで?」

夫の、戸惑った声に、義妹は、こう、続けました。

「わたしは、義父さんの、いちばんの、心残りを、知ってるの」

「義父さんは、お母さんが、亡くなってから、ずっと、お兄ちゃんと、由紀子さん(わたし)に、いっぱい、お世話に、なってた」

「お兄ちゃんが、義父さんの、最後の3年、毎週、訪ねて、いっしょに、ご飯を、食べて、いた。わたしは、年に2回しか、お会いしていない」

「相続は、お世話してくれた人が、もらうべき、だと、わたしは、思う」

義妹の言葉に、夫は、しばらく、何も、言えませんでした。

そして、夫は、ぽつりと、こう、返しました。

「美咲(義妹)、本当に、それで、いいのか?2,000万円近く、だぞ」

義妹は、ふんわり、笑って、こう、答えました。

「うん、いいの。お兄ちゃんが、お世話してくれた、お礼。それと、わたしと、夫(義妹の夫)の家は、生活には、困ってない」

その日、義妹の、家のリビングで、わたしと夫は、義妹に、深く、お礼を、しました。

義妹が、相続放棄を、選んだ、3つの理由

その後、義妹と、ゆっくり、話したときに、義妹が、相続放棄を、選んだ、本当の理由が、3つ、見えてきました。

理由① 夫(義妹)が、義父との関係を、ちゃんと、見ていた

義妹が、毎週、お兄ちゃん(わたしの夫)が、義父を、訪ねていた、ことを、義妹は、ちゃんと、見ていました。

「お兄ちゃんが、義父さんの、最後の3年、本当に、よく、お世話していた」

その姿を、義妹は、評価して、くれていた、のです。

理由② 兄妹の、家庭の経済状況の、ちがい

義妹の、ご家族は、夫(義妹の夫)が、企業の役員で、年収1,500万円超。 2人のお子さんも、もう、独立。

夫の家(わたしと夫の家)は、夫が、サラリーマンの定年退職後で、年金生活。

「お兄ちゃんの家のほうが、いま、お金が、必要、だと思った」

義妹の、ぼんやりとした、現実的な、判断でした。

理由③ 兄妹の、関係を、壊したくない

別記事(相続争いで姉妹がもう会わなくなった、隣の家の話を聞いて)に書いた、隣の家の3姉妹のような、相続トラブルを、義妹も、見て、いました。

義妹は、夫(わたしの夫)との、兄妹の関係を、相続のお金で、壊したくない、と、強く、思った、そうです。

「お兄ちゃんは、わたしの、たったひとりの、兄弟。お金で、関係が、壊れたら、いちばん、悲しい」

その義妹の、深い、家族への、思いが、わたしには、いちばん、感動しました。

相続放棄の、手続きの流れ

義妹の、相続放棄の、手続きの、流れも、お伝えします。

期限

相続放棄の、期限は、「相続を知った日から、3ヶ月以内」、です。

義父が、亡くなったのが、9月初旬。 義妹は、12月初旬までに、家庭裁判所に、申述書を、提出しました。

手続きの場所

亡くなった義父の、最後の住所地を、管轄する、家庭裁判所(義父の場合、横浜家庭裁判所)。

必要な書類

  • 相続放棄の、申述書
  • 義妹の、戸籍謄本
  • 義父の、戸籍謄本(出生から、死亡まで、ぜんぶ)
  • 義父の、住民票の除票
  • 収入印紙、郵便切手

費用

  • 収入印紙: 800円
  • 郵便切手: 約500円
  • 戸籍謄本の取得: 約1,500円
  • 司法書士さんへの依頼料: 5万円(義妹は、念のため、司法書士さんに、依頼した)

合計: 約5万7千円

結果

申述書を、提出してから、約1ヶ月で、家庭裁判所から、義妹に、「相続放棄受理通知書」が、届きました。

これで、義妹の、相続放棄が、正式に、確定。

夫が、ぜんぶ、相続することに、なりました。

3年経った、義妹と、夫、わたしの関係

相続放棄から、3年。

義妹と、夫、わたしの、関係は、こう、なって、います。

義妹と、夫の関係

実は、3年で、義妹と、夫の関係は、いままで以上に、深く、なりました。

夫は、義妹に、こう、お礼を、しています。

  • お盆と、お正月の、ご挨拶(必ず、夫が、義妹の家に、訪問)
  • 義妹の、お孫さんの、入学祝い、誕生日祝い(年4回、お祝い金や贈り物)
  • 義妹の、ご家族との、合同の家族旅行(年に1回、2泊3日)
  • 義父の、お墓参り(年2回、夫と義妹で、いっしょに)

相続放棄を、選んでくれた、義妹に、夫は、3年経っても、ずっと、感謝の気持ちを、伝え続けて、います。

義妹と、わたしの関係

わたしと、義妹の関係も、ぐっと、深く、なりました。

最初は、義妹は、わたしと、夫の家族なので、ちょっと、遠慮の関係、でした。

ですが、相続放棄を、選んで、ご家族としての、深い、信頼が、生まれました。

いまは、月に1〜2回、わたしと、義妹で、お茶を、しています。

「美咲、本当に、ありがとう。3年経っても、ずっと、感謝してる」

わたしは、毎回、義妹に、こう、伝えます。

義妹は、ふんわり、笑って、こう、返してくれます。

「由紀子さん、もういいから。3年経って、お兄ちゃんと、由紀子さんが、ちゃんと、暮らせて、よかった」

義父の、お墓参りで、感じる、ありがたさ

3年経った、いまも、義父の、お墓参りで、わたしと、夫、義妹は、いっしょに、お参りします。

その時、いつも、夫は、義父に、こう、報告します。

「お父さん、美咲が、ぜんぶ、わたしに、譲ってくれて、いまの、家を、守れています」

そして、義父の、お墓に向かって、夫は、義妹を、抱いて、感謝の気持ちを、伝えます。

その姿を、見るたびに、わたしは、涙が、出ます。

家族のお金の話は、家族の絆を、壊す、可能性も、あるけれど、深める可能性も、ある。

それを、わたしは、義妹から、教わりました。

3年で、わたしが、深く、思った3つのこと

相続放棄から、3年で、わたしが、深く、思った、3つのことを、お伝えします。

思い① 「相続は、半分ずつ」が、ぜんぶではない

法律では、子ども2人なら、半分ずつ、が、原則。

ですが、家族の状況、家族の絆、お世話の関係性で、ちゃんと、別の選択肢も、あります。

義妹のように、相続放棄を、選ぶ家族も、いる。 夫のように、ぜんぶ、相続して、お世話のお返しを、する家族も、いる。

「半分ずつ」が、ぜんぶ正しいわけ、ではない。 家族で、ちゃんと、話し合って、いちばん、家族の絆を、守る、選択を、する。

これが、相続の、いちばんの、コツです。

思い② 「お世話」を、ちゃんと、見ている家族が、いる

夫が、義父を、毎週、お世話していた、その姿を、義妹は、ちゃんと、見て、いました。

そして、義妹は、それを、相続放棄、という、形で、評価して、くれました。

「お世話を、する」、ことは、必ず、家族の、誰かが、ちゃんと、見ています。 そして、その評価は、必ず、何らかの、形で、戻ってきます。

これが、家族の、本当の絆の、深さ、だと、わたしは、思います。

思い③ 「お金」より「関係」を、優先する家族の、強さ

義妹は、約1,700万円という、大きな額を、お金より、家族の関係を、優先して、放棄しました。

これは、義妹の、本当に、強い、覚悟、です。

「お金で、家族の関係を、壊したくない」、その覚悟は、わたしには、いちばん、感動的な、家族の姿、でした。

家族の、いちばん、大事なのは、お金、ではありません。 家族の関係、絆、信頼、これらが、いちばん、大事。

義妹の3年で、わたしは、それを、ちゃんと、確認できました。

さいごに

夫の妹(義妹)の、相続放棄。

それは、わたしの、家族の、いちばん、深いところを、見せて、くれた、出来事でした。

義妹の、ぼんやりとした、笑顔、と「家族の関係を、壊したくない」、その一言。

それが、わたしと夫の、いまの、家族の暮らしを、ちゃんと、守って、くれている。

3年経った、いまも、わたしと、夫、義妹は、義父の、お墓参りで、いっしょに、お参りを、続けて、います。

家族のお金の話は、家族の絆を、壊す、可能性も、ある。 ですが、家族の絆を、深める、可能性も、ある。

家族で、ちゃんと、話し合って、いちばん、深い、選択を、する。 これが、相続の、いちばんの、コツ、だと、わたしは、義妹から、教わりました。

なお、相続放棄に関する判断や手続きは、ご家庭ごとに違います。具体的なご相談は、必ず弁護士、または、司法書士さんに、ご相談ください。

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