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10年後の年金、65歳のわたしが計算してみた本当の数字

ヨバナシ編集部 読了 約7分

65歳のわたしと、夫の2人世帯。10年後、75歳のわたしたちが受け取る年金は、いくらになるのか。物価上昇を考えると、本当はいくらの生活費が必要なのか。ねんきんネットと、公的な統計をもとに、実際に計算した数字を、お伝えします。不安より、まず数字。

65歳のわたしは、ふと、不安になる夜があります。

「10年後、わたしたち夫婦の年金は、本当にいまと同じ金額もらえるんだろうか」 「物価がこれだけ上がるなら、いまの生活費でやっていけるんだろうか」 「もし夫が先に逝ったら、わたしの年金だけで、何年生きていけるんだろうか」

ぼんやり不安に思うだけでは、何も解決しません。

去年の春、わたしは、半年かけて、本当の数字を、計算してみました。

「ねんきんネット」で、自分と夫の将来の年金見込み額を出し、公的な家計統計と物価上昇率を組み合わせて、10年後と20年後の家計を、エクセルでシミュレーションしたのです。

結果は、思ったよりは「悪くなかった」のですが、いくつか、対策が必要な点もありました。

この記事では、わたしの実際の計算と、わかったことを、お伝えします。

重要なお断り:この記事は、わたし個人の試算と体験です。年金や老後資金は、ご家庭ごとに大きく違います。具体的な計算と判断は、必ず日本年金機構の窓口、ファイナンシャルプランナー、または社会保険労務士にご相談ください。

計算のもとにした、3つの公的データ

まず、計算のもとにしたデータを、整理しておきます。

1. ねんきんネット

自分の年金記録と、将来の年金見込み額を、ネットで確認できる公式サービスです。

公的な情報源では、こう案内されています。

ねんきんネットでは、いつでも年金記録を確認できるほか、将来の年金見込額の試算もできます

日本年金機構「ねんきんネット」

わたしも、夫も、ねんきんネットに登録して、将来の見込み額を出しました。

2. 総務省「家計調査」

高齢夫婦の平均的な生活費を、知るために使いました。

公的な情報源では、こう案内されています。

高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の無職世帯)の消費支出は、月平均約25万円(2024年の家計調査年報より)

総務省統計局「家計調査」

(注:具体的な月額は年度により変動します。最新は総務省統計局でご確認ください)

3. 日本銀行・物価動向

物価上昇率を見るために、日本銀行の発表する消費者物価指数の動向を参考にしました。

2026年5月時点、政府と日銀は「物価2%目標」を掲げています。実際の物価上昇率は、年により異なります。

わたしと夫の、現在の年金

まず、現在(2026年5月)のわたしと夫の年金収入を、整理します。

  • 夫(66歳): 会社員時代の厚生年金 + 国民年金 = 月17万8,000円
  • わたし(65歳): パートと専業主婦時代を経て、自分の国民年金 + 厚生年金少額 = 月7万2,000円
  • 合計: 月25万円

世帯の年金収入: 年300万円。

これが、わたしたち夫婦の、年金からの収入のすべてです。

計算① 10年後(75歳)の年金見込み

10年後、わたしたち夫婦は、ともに75歳前後になります。

ねんきんネットの試算では、年金の支給額は、現在からほぼ変わりません。 (現役世代の保険料に応じてマクロ経済スライドで調整されますが、現役世代の賃金が大きく上がらない限り、年金額は実質的にはわずかに減る可能性があります)

ねんきんネットの試算結果:

  • 夫の年金: 月17万8,000円(現状維持を想定)
  • わたしの年金: 月7万2,000円(現状維持を想定)
  • 合計: 月25万円(年300万円)

ここまでは、悪くない、と思いました。 ところが、問題は「物価」のほうにありました。

計算② 物価上昇を加味した、実質的な購買力

ここからが、わたしには勉強になった部分です。

仮に、物価が年2%ずつ上がり続けた場合、10年後の物価は、現在の約1.22倍になります。

つまり、今100円のものが、10年後には122円になる、ということです。

すると、月25万円の年金で買えるものは、10年後には、いまの月20万5,000円分しかなくなる、計算になります。

実質的な購買力が、約2割減るのです。

これは、わたしには、結構な衝撃でした。

「年金の額面はほぼ変わらない、と聞いて安心していたら、買えるものは2割減る」のです。

計算③ 10年後の生活費の見込み

総務省の家計調査をもとに、わたしと夫の10年後の生活費を、見直しました。

現在のわたしたち夫婦の月の生活費: 約24万円 内訳:

  • 食費: 7万円
  • 住居費(光熱費・固定資産税): 3万円
  • 医療費: 2万円
  • 通信費: 1万5,000円
  • 交際費・趣味: 3万円
  • 衣料・日用品: 1万5,000円
  • 雑費: 1万円
  • 貯蓄: 5万円

10年後、物価が1.22倍になると、同じ生活水準を維持するために必要な月の生活費は、約29万円。

ところが、わたしたちの年金は、月25万円のまま。

差額: 月4万円の不足。

年では、48万円の不足。

10年で、480万円の不足になります。

計算④ 貯蓄からの取り崩しで、足りるか

わたしと夫の貯蓄は、現在約1,500万円(普通預金・定期預金・新NISA・退職金の残り)です。

10年後の不足分480万円を、貯蓄から取り崩すと、1,500 - 480 = 1,020万円が残ります。

これで、75歳以降の20年(95歳まで)を、過ごせるか。

ここから先は、もっと不確実です。

理由は、3つあります。

ひとつめ、医療費が、75歳以降に増える可能性。 ふたつめ、夫が先に逝った場合、わたしの年金は遺族厚生年金を加えても、月で約13万円くらいに減る(試算)。 みっつめ、介護が必要になった場合、施設費用が月15万円〜20万円かかる。

これらの「もしも」を計算に入れると、1,020万円では、不安が残ります。

ここから先、わたしと夫が決めたこと

計算してみて、わたしと夫が、3つだけ、決めました。

1. 月5万円の貯蓄を、何があっても続ける

物価上昇に対応するため、いまから少しでも貯蓄を増やす必要があると、計算で分かりました。

夫の収入(まだパートで月10万円ほど)と、わたしの年金から、月5万円を貯蓄に。 これを75歳まで続けると、10年で600万円。 複利を考慮しなくても、10年後の貯蓄は2,100万円ほどになります。

これで、75歳以降の不安が、ぐっと減ります。

2. 新NISA(月3万円)は続ける、ただし増やさない

別記事に書きましたが、わたしは新NISAを月3万円、続けています。

長期で持つほど有利と聞いているので、これは続けます。 ただし、夫から「もっと増やそう」と言われたとき、断りました。

理由は、もし元本割れがあった場合、わたしと夫の老後が崩れるからです。

「ゆとり資金の範囲で、長く続ける」が、わたしの新NISAの位置づけです。

3. 大きな買い物を、しない

今後、車の買い替え、家のリフォーム、海外旅行など、大きな出費は、できるだけ控えます。

ひとつでも300万円の出費があると、10年後の家計が、それだけで崩れます。

「いまある家、いまある車を、長く使う」が、合言葉になりました。

計算してわかった、3つの大事なこと

半年計算してみて、わたしが気づいた、大事なことが、3つあります。

ひとつめ、「年金が減るかも」より「物価が上がるかも」のほうが、大きな影響。 年金の額面は、それほど大きくは下がらないかもしれません。ですが、物価上昇で、買えるものは確実に減ります。これに気づくのが、大事でした。

ふたつめ、「夫が先に逝った後」の計算を、しておくこと。 遺族年金で、わたしの年金は月13万円くらいになる試算です。これを知っておくと、夫がいるうちに、何を残しておくべきかが見えます。

みっつめ、「介護費用」を、最初から計算に入れること。 施設に入る可能性は、夫もわたしも、ゼロではありません。介護費用を見越して、500万円〜1,000万円を、別枠で確保しておくと、安心です。

ねんきんネットの登録、まだの方は今すぐ

最後にひとつだけ、お伝えしたいことがあります。

ねんきんネットに、まだ登録していない方は、今すぐ登録してください。

公的な情報源では、こう案内されています。

「ねんきんネット」のご利用には、お申込みが必要です。基礎年金番号をお手元にご準備のうえ、お申込みください

日本年金機構「ねんきんネット」

スマホからでも、パソコンからでも、登録できます。 基礎年金番号(青い手帳に書いてある番号)があれば、5分で登録できます。

登録すると、あなたの年金の「将来見込み額」が、いつでも確認できます。

この見込み額を見ないで、なんとなく不安を抱え続けるのと、見込み額を見て、計算してから不安を整理するのとでは、心の安定が、ぜんぜん違います。

数字を見るのは、最初は怖いかもしれません。 ですが、見ない不安より、見える数字のほうが、ずっと、わたしを救ってくれました。

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さいごに

10年後の年金は、いまと額面ではほぼ同じ、ですが、購買力は2割減る可能性がある。

これが、65歳のわたしが、半年かけて計算した「本当の数字」でした。

不安を抱えたままにせず、紙とエクセルで、計算してみてください。

数字が見えた瞬間、不安は「対策できる課題」に、変わります。

なお、繰り返しになりますが、年金と老後資金の計算は、ご家庭ごとに大きく違います。具体的な判断や対策は、必ず日本年金機構、ファイナンシャルプランナー、または社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

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