孫が来ない60代妻の、しんどさを和らげる5つの考え方
孫が遠方の県に住んでいる、または近くなのに来ない。年に2回しか会えない、写真も送ってこない。60代の祖母が抱える「孫が来ない」しんどさを、どう和らげていけばよいか。同じ立場の方への、5つの考え方の整理です。
「孫が、来てくれないんです」
60代の方の集まりで、ふと出てくる話題です。
息子・娘が遠方に住んでいて、孫に会えるのは年に2回。お正月とお盆だけ。LINEで写真を頼んでも、すぐには返ってこない。
近くに住んでいる場合でも、孫の習い事や受験で忙しく、3ヶ月会えていない、ということもあります。
「もっと会いたい」「写真くらい、ほしい」「自分は、邪魔なんじゃないか」
その気持ちは、シニア女性の集まりでよく聞きます。けれど、誰かに大きな声で「孫に会いたい」と訴えるのも、年齢的にためらいがあります。
今日は、孫が来ない、会えない60代妻の方の、しんどさを少しだけ和らげる5つの考え方を、整理します。
なぜ、孫は来ないのか
考え方の前に、現実を確認させてください。
孫が来ない・会えない60代女性は、たぶんあなたが思っているより、多いです。
内閣府の高齢者の生活と意識に関する国際比較調査 によれば、孫と「月に数回以上会う」割合は、60代日本人で約2割。残り8割は、月に1回未満です。
「うちだけが特別、孫に会えない」のではありません。8割が、同じ状況です。
理由は、3つに整理できます。
1. 子の核家族化と遠距離化
仕事の都合で、子が遠方に住むケースが増えています。新幹線や飛行機の距離になると、孫を連れての帰省は、子にとっても1日仕事になります。
2. 孫の習い事・受験
孫が小学校に入ると、平日も土日も予定が入ります。中学受験の学年なら、おじいちゃんおばあちゃんに会う優先順位は、自然に下がります。
3. 子(特に嫁・婿)への配慮
子が「祖父母の家に行きたい」と思っても、配偶者の親への配慮で、頻度を抑えていることがあります。これは表に出てこない、けれど多い理由です。
つまり、孫が来ないのは、あなたとの関係が悪いからではなく、子の生活の構造が原因です。
しんどさを和らげる5つの考え方
整理した上で、5つの考え方をお伝えします。
1. 「会う回数」より「自分の機嫌」を整える
孫に会えるかどうかは、子の生活で決まります。私たちが努力しても、変えられない部分が多い。
それより、自分が孫から離れたときに、機嫌よく過ごせる毎日を作るほうが、効果が大きいのです。
孫の写真を1日に何回も見て、寂しさを増やすのか。趣味の時間に没頭して、孫のことを忘れる時間を作るのか。自分でコントロールできるのは、自分の時間の使い方だけです。
60代から始める『大人の趣味』10選 や 60代から始める『自分時間』の完全ガイド も参考になります。
2. 「会わないと祖母じゃない」という思い込みを手放す
「孫に頻繁に会えてこそ、立派な祖母」というイメージは、テレビドラマや雑誌が作った虚像です。
実際の祖母の役割は、孫の人生のうち、ほんの数年だけ。受験前後の数年、結婚前後の数年、人生の節目に、たまに会える存在で十分です。
毎週孫と会う祖母も、年に2回しか会えない祖母も、孫の人生における「祖母」の重みは、同じです。
3. 写真や連絡は「催促せず、感謝を返す」
子が孫の写真を送ってこないとき、催促したくなります。
「最近、写真がないけど」「会いたい」と書きたくなります。
その気持ちは自然ですが、催促を続けると、子は重く感じます。重く感じると、ますます連絡が減ります。
代わりに、写真が1枚届いたら、感謝のLINEを大げさに送ります。「ありがとう、可愛い、お母さん見て元気が出た」と。子は「送ってよかった」と思います。次は、頼まなくても送ってきます。
催促は減らす、感謝は増やす。これだけで、写真の頻度は上がります。
4. 「子の家庭」と「自分の家庭」は別、と線を引く
孫は、子の家庭の子です。
あなたが育てた子ではありません。
孫の習い事、しつけ、進学先、食べ物の好き嫌い、生活リズム。すべて、子と配偶者の判断で進みます。
あなたの判断と違っていても、口を出してはいけません。
口を出した瞬間、子は「会いたくない」と思います。会いたくない人の家には、孫を連れて行きません。
孫に会いたければ、孫の親に好かれること。これが、長期戦の唯一の戦略です。
5. 孫が来ない時間を、自分への投資に使う
孫に会えない時間が、3ヶ月続いたとします。
その3ヶ月で、何ができるか。
- 旅行に行ける(一人旅でも夫婦旅でも)
- 健康診断を受けられる
- ずっと先延ばしにしていた整体・歯科に行ける
- 新しい趣味を始められる
- 友人とランチを月2回入れられる
「孫に会いたい」だけで3ヶ月使うと、何も残りません。
「孫に会えない3ヶ月で、自分を整える」と決めると、孫が次に来たとき、元気で機嫌のいい祖母として迎えられます。
62歳・佳代子さん(仮名)の3年
最後に、参考までに、62歳の佳代子さんのケースを書いておきます。
佳代子さんには孫が2人います。長男夫婦の子で、6歳と4歳。長男は転勤で新幹線3時間の距離に住んでいます。
孫に会えるのは、年に2回、お正月とお盆だけ。それぞれ2泊3日。年に12日しか、会えません。
佳代子さんは、孫が生まれてから5年間、ずっと寂しさに耐えていました。「会いたい」「写真を見たい」と、嫁さんに催促して、関係がぎくしゃくしたこともあります。
3年前、佳代子さんは決めました。
「会えない時間を、自分の時間にする」と。
- カルチャーセンターの陶芸を始めた
- 友人と月1のランチを定例化した
- 夫と週末は外食する習慣を作った
- 1ヶ月に1冊、本を読み終えるノルマを自分に課した
3年経ったいま、佳代子さんは、お正月とお盆の年12日を、「特別な日」として全力で楽しめるようになりました。
「会えない時期に、自分を整えてきたから、会える日が宝物になる」と佳代子さんは言います。
そして佳代子さんが付け加えたのは、こんな言葉でした。
「催促を減らして、感謝を増やしたら、長男夫婦から月に2、3回、写真が届くようになりました」
孫が来ない、しんどい方へ
孫が来ない60代妻の方は、たぶん相当数います。
8割は、月に1回も会えていません。
「自分だけ、不運だ」と思わなくて、いいのです。
そして、会えない時間こそ、自分への投資の時間です。
孫が次に来たとき、機嫌のよい祖母でいるために、いまできることを、ひとつだけ始めてみてください。
それが、孫との関係を、長く守ります。
相談できる窓口
- 市区町村のシニアサロン:同年代との交流の場
- 地域包括支援センター:孤独感の相談
- 心療内科:寂しさが体調に出ているとき
- ヨバナシ「みんなの夜話」(匿名で打ち明けられる場所)
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