離婚後60代で住む家|UR・公営住宅・サ高住の費用比較
熟年離婚後、60代女性が住む家の選択肢は意外と多いです。UR高齢者向け優良賃貸(保証人不要)、公営住宅の優先枠、サ高住(月15万〜)など、初期費用・家賃・審査条件を表で比較。早めに動けば半年で引越しできる実例も解説します。
熟年離婚を決断したあと、最初にぶつかる壁が「住む家」です。
「夫名義の持ち家から出なければならない」「年金暮らしで賃貸審査が通るのか」「60代で引越しなんて現実的なのか」。。
選択肢は思ったより多く、制度も味方になってくれます。この記事では、UR・公営住宅・サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の費用・審査条件を表で比較し、60代女性が半年で引越しを完了させた実例を紹介します。
全体像から把握したい方へ:この記事は「熟年離婚・夫婦」シリーズの一部です。離婚・卒婚・死別の判断、年金分割、住まい、弁護士の選び方までを8場面で整理した 熟年離婚を考えはじめた50〜60代女性の完全ガイド もあわせてどうぞ。
60代女性の住まい選びで「知っておきたい3つの原則」
原則1:持ち家から出るなら、離婚成立前に動く
離婚成立後は住民票を移す・新しい賃貸契約を結ぶ・引越しの段取りが一気に来ます。精神的にもキツい時期。
別居期間中に新居を決めておくのがベストです。
原則2:「保証人不要」の選択肢を優先
親族関係が複雑になる離婚後に、保証人を頼むのは気が重いもの。UR賃貸・公営住宅・高齢者向け保証会社を使えば、保証人なしで借りられます。
原則3:家賃は年金月額の3分の1以下に抑える
60代女性の年金は、月10〜14万円程度(厚生年金含む)が平均的。家賃はその1/3 = 月3〜5万円が目安。
無理な家賃で入ると、2〜3年で生活が立ち行かなくなります。
選択肢A:UR賃貸住宅(独立行政法人都市再生機構)
特徴
- 保証人不要
- 礼金・仲介手数料なし
- 更新料なし
- 敷金は家賃3ヶ月分(返還可)
民間の賃貸より初期費用が圧倒的に安いのが最大のメリット。
高齢者向け優良賃貸(高優賃)
URには「高齢者向け優良賃貸住宅」というカテゴリーがあり、60歳以上の単身または高齢者世帯が対象。
- 家賃:地域により異なるが、郊外で月4〜7万円が多い
- バリアフリー設計(段差なし、手すり付き、緊急通報装置)
- 連帯保証人不要
申込みはUR賃貸住宅の公式サイトで物件検索可能。
家賃減額制度
収入が一定以下なら、家賃の20%〜約30%減額される制度もあります(条件あり)。東京都内で月5万円の物件が実質3.5万円になるケースもあります。
60代女性へのおすすめ度:★★★★★
初期費用・家賃・契約の手軽さで、60代単身女性にとって最有力の選択肢です。
選択肢B:公営住宅(県・市営住宅)
特徴
- 家賃が圧倒的に安い(月1〜4万円)
- 離婚女性の優先入居枠あり
- DV被害経験者の優先入居制度
- 保証人原則不要
応募の仕組み
- 各自治体で定期募集(年4〜6回)
- 抽選制だが、単身・高齢者・女性は倍率が低い
- 離婚直後の”緊急”枠がある自治体も
申込みはお住まいの市区町村役場の住宅課でできます。申込後、1〜6ヶ月以内に結果通知。倍率の高い物件は数年待ちも。
注意点
- 古い団地が多く、エレベーターなし・風呂釜なしのケース
- 収入制限あり(おおむね単身で年収256万円以下などの基準)
- 入居審査に時間がかかる
60代女性へのおすすめ度:★★★★☆
家賃重視で、ある程度妥協できるなら最強。ただし即入居は難しいので、離婚前から申し込みを。
選択肢C:民間賃貸(高齢者保証会社あり)
特徴
- 物件の選択肢が最も広い
- 保証人不要の保証会社(JIDや日本セーフティーなど)を活用
- 60代でも審査通過率が上がってきている
費用の目安
- 家賃:地域により月3〜10万円
- 初期費用:家賃4〜6ヶ月分(敷金・礼金・仲介・前家賃・保証料)
審査のコツ
- 年金収入の証明書を提出(安定収入としてカウントされる)
- 預金残高証明書(貯蓄ある旨を示す)
- 60代OK物件に絞って検索(SUUMO、HOME’S、at homeの条件指定可)
60代女性へのおすすめ度:★★★☆☆
立地の自由度は高いが初期費用が重い。貯蓄に余裕があるなら選択肢。
選択肢D:サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)
特徴
- バリアフリー完備
- 安否確認・生活相談サービスが基本料金に含まれる
- 食事サービスオプションあり(別料金)
- 介護状態になっても住み続けられる
費用の目安
- 月額15〜30万円(食事付きで25万円前後が中心)
- 初期費用:敷金のみ or 入居一時金30〜数百万円
60代女性へのおすすめ度:★★★☆☆
健康な60代には割高だが、70代後半以降は有力選択。今は民間賃貸、10年後にサ高住、というステップが現実的。
4つの選択肢を一覧で比較
| 項目 | UR | 公営住宅 | 民間賃貸 | サ高住 |
|---|---|---|---|---|
| 月家賃 | 4〜7万 | 1〜4万 | 3〜10万 | 15〜30万 |
| 初期費用 | 敷金のみ | 敷金のみ | 4〜6ヶ月分 | 30万〜数百万 |
| 保証人 | 不要 | 原則不要 | 保証会社可 | 不要〜保証人要 |
| 入居まで | 1〜3ヶ月 | 1〜6ヶ月 | 1〜2ヶ月 | 1〜2ヶ月 |
| バリアフリー | 高優賃はあり | 一部 | 物件による | 完備 |
| 60代おすすめ度 | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ |
60代妻・陽子さん(仮名)の半年間引越し記録
陽子さん(63歳)は、38年婚姻の夫との熟年離婚を決意。財産分与で1,400万円を受け取る予定。
0〜3ヶ月目:情報収集期
- UR賃貸公式サイトで週1回、希望エリアの物件チェック
- 市役所の住宅課で公営住宅の抽選スケジュール確認
- 近所の不動産屋3軒で60代OK物件を相談
3〜4ヶ月目:申込み期
- UR賃貸で2物件を内見
- 公営住宅2件に応募(倍率8倍・12倍)
- 民間賃貸でも保証会社審査を1件通過
5ヶ月目:決定
- URの高齢者向け優良賃貸に当選(2DK・郊外・月家賃5万2千円)
- 敷金15万6千円のみで契約
6ヶ月目:引越し完了
- 離婚成立の翌週に引越し
- 家具は地域の高齢者向け引越しサポート(社会福祉協議会)を利用して半額
「持ち家の思い出も苦しい思い出も、すべてあの家に置いて出た。3万2千円の家賃で、今は猫と二人。朝ごはんを誰に気兼ねなく食べられる幸せを、60代で取り戻した」
引越しで忘れがちな手続き
住民票・マイナンバー・年金
- 住民票:転出・転入の届出
- マイナンバーカード:転入先で継続利用
- 国民年金・国民健康保険:新住所で手続き
- 遺族年金・老齢年金:日本年金機構に住所変更届
光熱費・通信
- 電気・ガス・水道の名義変更
- NHKの住所変更・家族割からの外し
- スマホの住所変更、固定電話(残すなら)の移転
銀行・郵便局
- 通帳の住所変更(キャッシュカードや書類の送付先)
- 郵便局の転送サービス(1年間無料)
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相談できる窓口
- 市区町村の住宅課:公営住宅・UR情報
- UR賃貸営業センター:物件相談(全国)
- 社会福祉協議会:高齢者向け引越し支援
- 法テラス:離婚と住まい関連の法律相談
- 独立行政法人都市再生機構 UR賃貸 :公式物件検索
秘密会議のみなさんへ
- 離婚成立前に新居を決めておくのが鉄則
- UR高齢者向け優良賃貸が60代単身女性の最有力
- 公営住宅は倍率高めだが、家賃1〜4万の魅力は圧倒的
- 家賃は年金月額の1/3以下に抑える
- 半年あれば、条件を満たせば必ず決まる
新しい家は、あなただけの時間を取り戻す場所です。慎重に、でも急ぎすぎず、選んでください。
※本記事は2026年時点の一般情報です。家賃・制度の詳細はお住まいの地域・物件により異なります。最新情報は各自治体の住宅窓口・UR営業センター・弁護士にご確認ください。
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