熟年離婚をしない選択肢、わたしが知った3つのかたち
熟年離婚を考えたあと、わたしが3年かけて知った『離婚しない3つの選択肢』を整理します。家庭内別居、卒婚、関係を整え直すリビルド。それぞれのメリットとデメリット、家計への影響、判断の目安を、65歳のわたしの体験と公的情報をもとにお伝えします。
熟年離婚を、本気で考える時期が、わたしには、ありました。
60歳のとき、わたしは、相談所に2回行き、年金分割の試算もし、3年かけて、結局、離婚しない選択を、しました。
その3年で、わたしは「離婚しない選択肢」が、ひとつではなく、3つあることに、気づきました。
- 家庭内別居
- 卒婚
- 関係を整え直す(リビルド)
3つは、ぜんぜん違うかたちです。 そして、それぞれに、メリットとデメリットが、あります。
別記事(熟年離婚を真剣に考えて、3年かけてやめた話、卒婚とは?60代夫婦の3つの実例と、わたしの選び方)に書いた、わたし自身の体験と、由美子さん(別記事)の経験を踏まえて、3つの選択肢を、整理してお伝えします。
「離婚はしたくないけど、いまの関係も、苦しい」という方に、ひとつの整理として、お読みいただければと思います。
お断り:この記事は、わたし個人の体験と、公的な情報をもとにしています。具体的なご検討は、必ず弁護士、ファイナンシャルプランナー、または信頼できる専門家にご相談ください。
選択肢① 家庭内別居
家庭内別居とは、同じ家に住みながら、生活を、ほぼ独立させるかたちです。
具体的な姿
- 同じ家に住む
- 寝室は、別々
- 食事は、それぞれが、別々に用意して、食べる
- 家事は、それぞれが、自分の分だけ
- 顔を合わせる頻度: 月数回(必要な家族の予定の時のみ)
- 家計: 別々(光熱費は折半)
- 法律上は、結婚継続
別記事に書いた友人Aさん夫妻が、この形を、選んでいます。
メリット
- お互いの顔を、ほとんど見ないので、ストレスがゼロに近い
- 引っ越しの費用が、ゼロ
- 配偶者控除など、税制上の優遇が、そのまま
- 親族や近所には「夫婦」のままで、説明が、楽
- 家計の負担が、大きく増えない
デメリット
- 一緒の家で、無視し合う関係が、続く
- もしどちらかが体調を崩したとき、対応が、難しい(同じ家にいるのに、無視は、できない)
- 子どもや孫が訪ねてきたときに、気まずい場面が、ある
- 心の中の「夫婦関係の終わり」を、形にできない
向いている方
- 経済的に、引っ越せない
- 親や、子どものために、夫婦を続けたい
- 相手と物理的に顔を合わせなければ、ストレスが、ゼロに近くなる
- 大きな決断を、しなくて済む方を、選びたい
選択肢② 卒婚
卒婚とは、結婚を続けながら、生活を独立させるかたちです。 家庭内別居より、もう少し、形を整えた感じです。
別記事(卒婚とは?60代夫婦の3つの実例と、わたしの選び方)に詳しく書きました。
具体的な姿
- 法律上は、結婚継続
- 同居か別居かは、夫婦で決める
- 家計は、別々にする場合が多い
- お互いの自由を、尊重し、相手の生活には、干渉しない
- 「卒業」のように、結婚という枠から、お互いに少し離れる
メリット
- 法律上は、配偶者のままなので、相続権、年金分割の権利が、維持される
- 配偶者控除や、税制優遇が、そのまま
- 子どもや、孫の節目では、家族として、集まれる
- 夫婦の合意で、自由なかたちが、選べる(週末同居、別居など)
デメリット
- 別居の場合、家賃が、2倍になる(経済的に、それなりの余裕が必要)
- 法的な保護が、整備されていない(まだ、新しい制度)
- 「結婚継続」と「実質的な独立」の、両方を取るので、ややあいまい
- 相手の浮気や、新しい恋愛があった場合の、線引きが、難しい
向いている方
- ある程度の、経済的な余裕がある
- 形だけの結婚は維持したいが、自分の時間を、しっかり持ちたい
- 離婚の手続きの面倒を、避けたい
- 親族や、ご近所への説明を、柔らかくしたい
選択肢③ 関係を整え直す(リビルド)
3つめは、夫婦の関係そのものを、整え直すかたちです。
わたし自身が、3年かけて、選んだのが、この形でした。
具体的な姿
- 同じ家に、住み続ける
- 夫婦で、しっかり話し合いの場を、定期的に持つ
- お互いの「不満」と「希望」を、紙に書いて、共有する
- 家事の分担、自由時間の確保、夫婦の話し合いの日、などのルールを、新しく決める
- 半年に1回、ルールを見直す
メリット
- 35年、40年連れ添った夫婦の関係を、ゼロから作り直す機会になる
- 子どもや、孫、親族との関係が、変わらない
- 家計の負担が、増えない
- 心の中で「夫婦継続」の納得感が、強くなる
- 60代以降の老後を、ふたりで、ちゃんと支え合える
デメリット
- 相手の協力が、必須(片方だけが、頑張っても、続かない)
- 話し合いに、時間と、エネルギーが、必要
- 短期的には、楽にならない(関係改善には、半年〜1年かかる)
- 相手が、変わる気が、ない場合は、機能しない
向いている方
- 夫(または妻)が、話を聞いてくれる
- 経済的に、引っ越せない、または、しない
- 35年、40年の積み重ねを、ゼロにしたくない
- 「夫婦の継続」を、価値として、強く感じる
3つの選択肢を、比較する
3つの選択肢を、簡単に、比較してみます。
| 項目 | 家庭内別居 | 卒婚 | リビルド |
|---|---|---|---|
| 同居/別居 | 同居 | 同居or別居 | 同居 |
| 家計 | 折半・別々 | 別々 | 一緒 |
| 経済負担 | 変わらず | 大きい | 変わらず |
| 相手の協力 | 不要 | 要 | 必須 |
| 心理的な距離 | 完全に遠い | やや遠い | 近い(再構築) |
| 親族への説明 | 楽 | 柔らかい | 自然 |
| 適した方 | ストレス避けたい | 自由な時間 | 関係改善できる |
これは、わたしと、由美子さんの体験、そして、知り合いの3組の卒婚夫婦から、整理した目安です。
公的な情報(家庭内別居・卒婚について)
家庭内別居や、卒婚は、まだ、法律的に明確に整備されていません。
公的な情報源では、こう案内されています。
同居義務は民法上規定されているが、夫婦の合意による別居や、生活の独立については、特別な手続きは原則として不要
ただし、長期化した別居や、家計の独立は、税制(配偶者控除など)、社会保障(健康保険など)に影響することがあるそうです。
具体的にご検討の場合は、必ず、税理士や、社会保険労務士、弁護士などに、ご相談ください。
わたしが、リビルドを選んだ理由
3つの選択肢の中から、わたしが、リビルドを選んだ理由は、3つでした。
ひとつめ: 夫が、話を聞いてくれた
3年前、わたしが「離婚を考えている」と切り出したとき、夫は、1時間、わたしの話を聞いてくれました。
これが、わたしの中で、いちばん大きな、選択肢の決め手でした。
夫が、話を、ちゃんと聞いてくれない人だったら、わたしは、リビルドを、選ばなかったと、思います。
ふたつめ: 経済的に、別居は、難しかった
わたしと夫の年金は、合わせて月25万円。 別居して、家賃が2倍になると、家計が、回りません。
経済的にも、リビルドが、現実的でした。
みっつめ: 35年の積み重ねを、活かしたかった
35年、夫と一緒に、いろんなことを、経験しました。 息子を、育てて、わたしの両親を、看取り、お互いの転勤に、合わせて、引っ越して。
その35年の積み重ねを、ゼロにせずに、もう一度、関係を作り直す。 これが、わたしには、いちばん、納得できるかたちでした。
どの選択肢を選ぶか、3つの自問
どの選択肢が、自分に合うかは、3つの自問で、ある程度、見えてきます。
ひとつめ: 夫(または妻)は、わたしの話を、聞いてくれるか? → 聞いてくれるなら、リビルドが、機能する可能性
ふたつめ: 経済的に、別居や、家計独立が、できるか? → できないなら、家庭内別居か、リビルドが、現実的
みっつめ: 35年の積み重ねを、活かしたいか、ゼロにしたいか? → 活かしたいなら、リビルドが、選択肢
3つの問いに、答えてみると、自分に合う選択肢が、見えてきます。
さいごに
熟年離婚を、本気で考えると、見えてくるのは、「離婚以外にも、選択肢が、ある」ということです。
家庭内別居、卒婚、リビルド。
3つとも、まったく違うかたちです。
そして、それぞれに、メリットとデメリットが、あります。
「離婚しない、ということは、いまのまま」ではありません。
「離婚しない」中にも、3つの、まったく違う、選択肢が、あります。
ご自分に合うかたちを、ゆっくり、考えてみてください。
3年かけて、ゆっくり考えたわたしは、リビルドを選んで、本当に、よかったと、思っています。
由美子さん(別記事)は、3年かけて、離婚を選びました。 別記事のAさんは、家庭内別居を選びました。 別記事のBさんは、卒婚を選びました。
それぞれ、まったく違う選択ですが、ぜんぶ、ご本人にとっては、正しい選択でした。
ご自分の選択は、ご自分の3年で、見えてきます。
なお、繰り返しになりますが、夫婦関係の選択は、ご家庭ごとに大きく違います。具体的なご検討は、必ず弁護士、ファイナンシャルプランナー、または信頼できる専門家にご相談ください。
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