ヨバナシ —女たちの秘密会議
熟年離婚

熟年離婚をしない選択肢、わたしが知った3つのかたち

ヨバナシ編集部 読了 約6分

熟年離婚を考えたあと、わたしが3年かけて知った『離婚しない3つの選択肢』を整理します。家庭内別居、卒婚、関係を整え直すリビルド。それぞれのメリットとデメリット、家計への影響、判断の目安を、65歳のわたしの体験と公的情報をもとにお伝えします。

熟年離婚を、本気で考える時期が、わたしには、ありました。

60歳のとき、わたしは、相談所に2回行き、年金分割の試算もし、3年かけて、結局、離婚しない選択を、しました。

その3年で、わたしは「離婚しない選択肢」が、ひとつではなく、3つあることに、気づきました。

  • 家庭内別居
  • 卒婚
  • 関係を整え直す(リビルド)

3つは、ぜんぜん違うかたちです。 そして、それぞれに、メリットとデメリットが、あります。

別記事(熟年離婚を真剣に考えて、3年かけてやめた話卒婚とは?60代夫婦の3つの実例と、わたしの選び方)に書いた、わたし自身の体験と、由美子さん(別記事)の経験を踏まえて、3つの選択肢を、整理してお伝えします。

「離婚はしたくないけど、いまの関係も、苦しい」という方に、ひとつの整理として、お読みいただければと思います。

お断り:この記事は、わたし個人の体験と、公的な情報をもとにしています。具体的なご検討は、必ず弁護士、ファイナンシャルプランナー、または信頼できる専門家にご相談ください。

選択肢① 家庭内別居

家庭内別居とは、同じ家に住みながら、生活を、ほぼ独立させるかたちです。

具体的な姿

  • 同じ家に住む
  • 寝室は、別々
  • 食事は、それぞれが、別々に用意して、食べる
  • 家事は、それぞれが、自分の分だけ
  • 顔を合わせる頻度: 月数回(必要な家族の予定の時のみ)
  • 家計: 別々(光熱費は折半)
  • 法律上は、結婚継続

別記事に書いた友人Aさん夫妻が、この形を、選んでいます。

メリット

  • お互いの顔を、ほとんど見ないので、ストレスがゼロに近い
  • 引っ越しの費用が、ゼロ
  • 配偶者控除など、税制上の優遇が、そのまま
  • 親族や近所には「夫婦」のままで、説明が、楽
  • 家計の負担が、大きく増えない

デメリット

  • 一緒の家で、無視し合う関係が、続く
  • もしどちらかが体調を崩したとき、対応が、難しい(同じ家にいるのに、無視は、できない)
  • 子どもや孫が訪ねてきたときに、気まずい場面が、ある
  • 心の中の「夫婦関係の終わり」を、形にできない

向いている方

  • 経済的に、引っ越せない
  • 親や、子どものために、夫婦を続けたい
  • 相手と物理的に顔を合わせなければ、ストレスが、ゼロに近くなる
  • 大きな決断を、しなくて済む方を、選びたい

選択肢② 卒婚

卒婚とは、結婚を続けながら、生活を独立させるかたちです。 家庭内別居より、もう少し、形を整えた感じです。

別記事(卒婚とは?60代夫婦の3つの実例と、わたしの選び方)に詳しく書きました。

具体的な姿

  • 法律上は、結婚継続
  • 同居か別居かは、夫婦で決める
  • 家計は、別々にする場合が多い
  • お互いの自由を、尊重し、相手の生活には、干渉しない
  • 「卒業」のように、結婚という枠から、お互いに少し離れる

メリット

  • 法律上は、配偶者のままなので、相続権、年金分割の権利が、維持される
  • 配偶者控除や、税制優遇が、そのまま
  • 子どもや、孫の節目では、家族として、集まれる
  • 夫婦の合意で、自由なかたちが、選べる(週末同居、別居など)

デメリット

  • 別居の場合、家賃が、2倍になる(経済的に、それなりの余裕が必要)
  • 法的な保護が、整備されていない(まだ、新しい制度)
  • 「結婚継続」と「実質的な独立」の、両方を取るので、ややあいまい
  • 相手の浮気や、新しい恋愛があった場合の、線引きが、難しい

向いている方

  • ある程度の、経済的な余裕がある
  • 形だけの結婚は維持したいが、自分の時間を、しっかり持ちたい
  • 離婚の手続きの面倒を、避けたい
  • 親族や、ご近所への説明を、柔らかくしたい

選択肢③ 関係を整え直す(リビルド)

3つめは、夫婦の関係そのものを、整え直すかたちです。

わたし自身が、3年かけて、選んだのが、この形でした。

具体的な姿

  • 同じ家に、住み続ける
  • 夫婦で、しっかり話し合いの場を、定期的に持つ
  • お互いの「不満」と「希望」を、紙に書いて、共有する
  • 家事の分担、自由時間の確保、夫婦の話し合いの日、などのルールを、新しく決める
  • 半年に1回、ルールを見直す

メリット

  • 35年、40年連れ添った夫婦の関係を、ゼロから作り直す機会になる
  • 子どもや、孫、親族との関係が、変わらない
  • 家計の負担が、増えない
  • 心の中で「夫婦継続」の納得感が、強くなる
  • 60代以降の老後を、ふたりで、ちゃんと支え合える

デメリット

  • 相手の協力が、必須(片方だけが、頑張っても、続かない)
  • 話し合いに、時間と、エネルギーが、必要
  • 短期的には、楽にならない(関係改善には、半年〜1年かかる)
  • 相手が、変わる気が、ない場合は、機能しない

向いている方

  • 夫(または妻)が、話を聞いてくれる
  • 経済的に、引っ越せない、または、しない
  • 35年、40年の積み重ねを、ゼロにしたくない
  • 「夫婦の継続」を、価値として、強く感じる

3つの選択肢を、比較する

3つの選択肢を、簡単に、比較してみます。

項目家庭内別居卒婚リビルド
同居/別居同居同居or別居同居
家計折半・別々別々一緒
経済負担変わらず大きい変わらず
相手の協力不要必須
心理的な距離完全に遠いやや遠い近い(再構築)
親族への説明柔らかい自然
適した方ストレス避けたい自由な時間関係改善できる

これは、わたしと、由美子さんの体験、そして、知り合いの3組の卒婚夫婦から、整理した目安です。

公的な情報(家庭内別居・卒婚について)

家庭内別居や、卒婚は、まだ、法律的に明確に整備されていません。

公的な情報源では、こう案内されています。

同居義務は民法上規定されているが、夫婦の合意による別居や、生活の独立については、特別な手続きは原則として不要

法務省「家族関係関連」

ただし、長期化した別居や、家計の独立は、税制(配偶者控除など)、社会保障(健康保険など)に影響することがあるそうです。

具体的にご検討の場合は、必ず、税理士や、社会保険労務士、弁護士などに、ご相談ください。

わたしが、リビルドを選んだ理由

3つの選択肢の中から、わたしが、リビルドを選んだ理由は、3つでした。

ひとつめ: 夫が、話を聞いてくれた

3年前、わたしが「離婚を考えている」と切り出したとき、夫は、1時間、わたしの話を聞いてくれました。

これが、わたしの中で、いちばん大きな、選択肢の決め手でした。

夫が、話を、ちゃんと聞いてくれない人だったら、わたしは、リビルドを、選ばなかったと、思います。

ふたつめ: 経済的に、別居は、難しかった

わたしと夫の年金は、合わせて月25万円。 別居して、家賃が2倍になると、家計が、回りません。

経済的にも、リビルドが、現実的でした。

みっつめ: 35年の積み重ねを、活かしたかった

35年、夫と一緒に、いろんなことを、経験しました。 息子を、育てて、わたしの両親を、看取り、お互いの転勤に、合わせて、引っ越して。

その35年の積み重ねを、ゼロにせずに、もう一度、関係を作り直す。 これが、わたしには、いちばん、納得できるかたちでした。

どの選択肢を選ぶか、3つの自問

どの選択肢が、自分に合うかは、3つの自問で、ある程度、見えてきます。

ひとつめ: 夫(または妻)は、わたしの話を、聞いてくれるか? → 聞いてくれるなら、リビルドが、機能する可能性

ふたつめ: 経済的に、別居や、家計独立が、できるか? → できないなら、家庭内別居か、リビルドが、現実的

みっつめ: 35年の積み重ねを、活かしたいか、ゼロにしたいか? → 活かしたいなら、リビルドが、選択肢

3つの問いに、答えてみると、自分に合う選択肢が、見えてきます。

さいごに

熟年離婚を、本気で考えると、見えてくるのは、「離婚以外にも、選択肢が、ある」ということです。

家庭内別居、卒婚、リビルド。

3つとも、まったく違うかたちです。

そして、それぞれに、メリットとデメリットが、あります。

「離婚しない、ということは、いまのまま」ではありません。

「離婚しない」中にも、3つの、まったく違う、選択肢が、あります。

ご自分に合うかたちを、ゆっくり、考えてみてください。

3年かけて、ゆっくり考えたわたしは、リビルドを選んで、本当に、よかったと、思っています。

由美子さん(別記事)は、3年かけて、離婚を選びました。 別記事のAさんは、家庭内別居を選びました。 別記事のBさんは、卒婚を選びました。

それぞれ、まったく違う選択ですが、ぜんぶ、ご本人にとっては、正しい選択でした。

ご自分の選択は、ご自分の3年で、見えてきます。

なお、繰り返しになりますが、夫婦関係の選択は、ご家庭ごとに大きく違います。具体的なご検討は、必ず弁護士、ファイナンシャルプランナー、または信頼できる専門家にご相談ください。

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