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嫁いで初めての夏、姑に教わった梅仕事のこと
結婚して初めての夏、わたしは姑に、梅干しの作り方を教わりました。緊張しながら過ごした、姑との初めての夏。35年経って、その梅仕事が、わたしと姑をつないでくれた原点だったと気づいた話を、ゆっくりお伝えします。義母との関係を築いていく方へ。
65歳のわたしが、結婚したのは、30歳のとき。
嫁いで、初めての夏。
わたしは、姑(夫の母)に、梅干しの作り方を、教わりました。
いまでこそ、別記事(義母から受け継いだ、ぬか床の話)に書いたように、姑との、深い絆を、感じていますが、嫁いだばかりの頃は、姑との時間が、緊張の連続でした。
今日は、その、嫁いで初めての夏、姑に教わった、梅仕事の話を、お伝えします。
「義母との関係を、これから築いていく」方に、ひとつの参考に、なれば、と思います。
なお、義母との関係は、ご家庭ごとに、本当に違います。あくまで、わたし個人の、体験として、お読みください。
嫁いで、初めての夏
結婚して、初めての夏。
わたしは、夫の実家で、姑と、過ごす時間が、本当に、緊張しました。
何を、話せばいいか、わからない。 お手伝いも、どこまで、していいか、わからない。 姑に、気に入られたい、けれど、空回りばかり。
そんな、ある日。
姑が、こう、言いました。
「由紀子さん、梅干し、作ったこと、ある?」
わたしは、作ったことが、ありませんでした。
「いいえ、ないんです」
そう、答えると、姑は、にっこり、笑って、こう、言いました。
「じゃあ、いっしょに、作りましょう。うちの、梅干しの作り方、教えてあげる」
姑と、二人での、梅仕事
その日から、わたしと姑の、梅仕事が、始まりました。
庭の、梅の木から、採れた、青い梅。
姑が、ひとつ、ひとつ、丁寧に、教えてくれました。
- 梅を、水に、つけて、あく抜きをする
- ヘタを、竹串で、取る
- 塩で、漬ける
- 重しを、のせる
- 梅雨が明けたら、土用干しをする
姑の、手の動きを、見ながら、わたしも、見よう見まねで、梅を、漬けました。
最初は、緊張で、手が、震えました。
でも、姑は、せかさず、「ゆっくりで、いいのよ」と、優しく、見守って、くれました。
梅を、漬けながら、姑は、ぽつぽつ、いろんな話を、してくれました。
- 夫(姑の息子)が、小さかった頃の話
- 姑が、自分の姑から、梅干しを、教わった話
- この家に、嫁いできた頃の、姑自身の、緊張の話
「わたしも、嫁いできた頃は、あなたみたいに、緊張してたのよ」
姑の、その言葉に、わたしの、緊張が、ふっと、ほどけました。
梅仕事が、つないでくれた、最初の糸
梅を、漬けるという、共通の作業。
それが、わたしと姑の、最初の、つながりの糸に、なりました。
言葉で、無理に、仲良くなろうと、しなくても、いい。
いっしょに、手を、動かして、同じものを、作る。
それだけで、姑との、距離が、ぼんやり、近くなったのです。
その夏、漬けた梅が、土用干しを経て、梅干しに、なったとき。
姑が、こう、言いました。
「由紀子さんの、初めての、梅干し。上手に、できたわね」
わたしは、本当に、嬉しくて、その梅干しを、大事に、家に、持ち帰りました。
35年、続いた、梅仕事
それから、35年。
わたしと姑は、毎年、夏になると、いっしょに、梅仕事を、しました。
最初は、教わる、ばかりだった、わたし。 だんだん、姑の、手伝いが、できるように、なって。 やがて、わたしが、中心になって、姑が、見守る側に。
梅仕事は、わたしと姑の、35年の、夏の、恒例行事に、なりました。
別記事(義母から受け継いだ、ぬか床の話)に書いた、ぬか床と、同じ。
梅仕事も、姑から、わたしへ、受け継がれた、大切な、営みです。
姑が、亡くなって、気づいたこと
別記事(義姉と二人で、母を見送った、最後の一週間)に書いた、姑の看取り。
姑が、亡くなって、初めての夏。
わたしは、ひとりで、梅仕事を、しました。
庭の、梅を、採って、あく抜きをして、塩で、漬けて。
その、手の動きの、ひとつ、ひとつに、姑との、35年の、夏が、よみがえりました。
そして、気づいたのです。
嫁いで、初めての夏に、姑が、「いっしょに、梅干し、作りましょう」と、言ってくれたこと。
あれが、緊張していた、若いわたしに、姑が、差し出して、くれた、最初の、優しさの、手だったのだ、と。
姑は、言葉で、「仲良くしましょう」と、言う代わりに、梅仕事という、いっしょに、手を動かす時間で、わたしを、家族に、迎えて、くれたのです。
同じ立場の方へ
もし、いま、義母との関係を、これから、築いていく方が、いらっしゃるなら、申し上げたいことが、あります。
義母と、無理に、言葉で、仲良くなろうと、しなくて、いいのです。
いっしょに、手を、動かす時間を、持ってみてください。
料理、梅仕事、庭の手入れ、お掃除。
何でも、いいのです。
いっしょに、同じものを、作ったり、同じことを、したりする時間が、言葉以上に、義母との、距離を、縮めて、くれます。
そして、もし、義母が、何かを、「いっしょに、やりましょう」と、誘ってくれたら、それは、義母からの、優しさの、手かもしれません。
ぜひ、その手を、取ってみてください。
さいごに
嫁いで、初めての夏、姑に教わった、梅仕事。
緊張していた、若いわたしに、姑が、差し出して、くれた、最初の、優しさの手。
それが、わたしと姑の、35年の、絆の、原点でした。
姑は、亡くなりましたが、毎年、夏になると、わたしは、梅仕事を、続けています。
梅を、漬けながら、姑との、35年の、夏を、思い出して。
「お義母さん、今年も、梅、漬けましたよ」
心の中で、そう、語りかけながら。
義母との関係は、言葉だけでは、ありません。 いっしょに、手を、動かす時間が、いちばん、深く、つないでくれます。
なお、義母との関係は、ご家庭ごとに違います。ご自分のペースで、無理なく、関係を、育ててみてください。
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