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熟年離婚を選んだ友人と、わたしが話した秋の夜のこと
65歳の友人が、ご主人と熟年離婚しました。離婚届を提出した翌週、彼女からわたしに電話があり、2時間、話を聞きました。離婚を決めた本当の理由、3年の準備、お子さんたちの反応、いまの暮らし。同じ65歳のわたしが、彼女の声から学んだ、3つのことをお伝えします。
65歳の友人が、ご主人と熟年離婚しました。
彼女(由美子さん、と呼ばせていただきます)は、わたしの月1ランチで親しかった、ママ友のひとりです。
去年の秋、由美子さんから、わたしに電話がありました。
「真奈美さん、わたし、離婚しました」
電話の声は、淡々として、落ち着いていました。
その夜、わたしと由美子さんは、2時間、電話で話しました。
由美子さんが、なぜ離婚を選んだか、3年の準備をどう進めたか、お子さんたちの反応、いまの暮らし。
由美子さんは、わたしに、ぜんぶ、話してくれました。
別記事(熟年離婚を真剣に考えて、3年かけてやめた話)に書いたわたしと、同じ65歳の由美子さんが、まったく違う結論にたどり着いた、その理由を、わたしは、深く、知りたかったのです。
そして、由美子さんから、わたしは、3つのことを、学びました。
今日は、その電話で聞いた話と、わたしが学んだ3つを、お伝えします。
お断り:この記事は、わたしの友人の体験です。熟年離婚の判断や、手続きは、ご家庭ごとに大きく違います。具体的な検討は、必ず弁護士や、ファイナンシャルプランナーなどの専門家にご相談ください。
由美子さんが、離婚を決めた本当の理由
由美子さんは、わたしに、こう話してくれました。
「真奈美さんとね、何度か、月1ランチで話したじゃない。わたし、香織さんの自慢話を聞きながら、いつも、夫のことばかり考えてたの」
「夫が、わたしを、ぞんざいに扱うことに、ずっと、慣れちゃってたの」 「香織さんが、ご主人の悪口を、軽く言うのを聞きながら、わたしの夫は、もっとひどいかも、って気づいたの」
由美子さんのご主人は、由美子さんを、長年、軽く扱ってきた、と。
具体的には、こうでした。
- 由美子さんが話しても、ほとんど返事をしない
- 由美子さんの体調を、聞いたことが、ほぼない
- 由美子さんの誕生日を、覚えていない年が多い
- 由美子さんが、お料理を作っても、「おいしい」と言わない
- 由美子さんが、友人と出かけると、なぜか機嫌が悪い
「これらが、20年、30年、続いていたの。最初は、それが普通だと思ってた」
「でも、65歳になって、急に、思ったの。『あと20年、これが続くのか』って」
「20年、夫に、ぞんざいに扱われ続けるのは、わたし、もう無理だな、って思ったの」
由美子さんは、その瞬間に、離婚を、考え始めた、と話してくれました。
由美子さんの、3年の準備
決断してから、由美子さんは、3年かけて、準備を進めました。
具体的には、こんなことを、3年かけてやっていました。
1年目: 情報収集
最初の1年は、情報収集だけ、と決めて、こんなことをやったそうです。
- 離婚に関する本を、5冊読む
- 弁護士の無料相談を、2回受ける
- 自分の年金見込み額を、年金事務所で確認
- 夫の年金分割額を、ねんきんネットで試算
- 自分の貯蓄を、もう一度確認
「この1年で、自分が、離婚しても、経済的にやっていけるか、ほぼ確定できたの」
2年目: 環境の整え
2年目は、こんなことをやったそうです。
- パートを始める(月10万円の収入を確保)
- 自分名義の銀行口座を、整理して、夫に気づかれないように
- 離婚後の住居の、リサーチ(同じ市内の小さな賃貸マンション)
- 弁護士を1人、信頼できる方を、決める
「この1年で、離婚後の暮らしの、具体的な姿が、見えてきた」
3年目: 実行
3年目に、由美子さんは、ついに、夫に切り出しました。
「あなた、わたし、離婚したい」
夫は、最初、聞こえなかったような顔をしました。 2回目、由美子さんが言うと、夫は「冗談だろう」と答えました。 3回目、由美子さんが「冗談じゃないわ。離婚したい」と言うと、夫は、しばらく、沈黙しました。
そして、こう言いました。
「お前、何か、不満があるなら、言えよ」
由美子さんは、こう答えました。
「3年前から、言ってきたことよ。あなたが、聞いてくれなかっただけ」
それから半年、由美子さんは、夫と、弁護士を介して、財産分与と、年金分割の手続きを進めました。
去年の秋、ついに、離婚届が、受理されました。
子どもたちの反応
由美子さんには、息子と娘が、いらっしゃいます。 ふたりとも、すでに結婚して、独立しています。
由美子さんは、離婚を決めたあと、ふたりの子どもに、こう話したそうです。
「お母さん、お父さんと、離婚することにしたの。20年、考えてきたことだから、ちゃんと決めたの」
息子(40歳)の反応は、こうでした。
「お父さんのこと、ずっと心配してた。やっと言ったね」
娘(38歳)の反応は、こうでした。
「ようやくね、お母さん。子どもの頃から、お父さんが、お母さんに、ぞんざいだったの、ずっと見てたから」
由美子さんは、電話で、わたしにこう言いました。
「子どもたち、わたしの離婚に、ぜんぜん驚かなかったの。むしろ、『よくここまで我慢したね』って、言ってくれた」
「わたしが思っていた以上に、子どもたちは、よく、見ていたのよ」
離婚後、3ヶ月のいま
由美子さんに、わたしは、こう聞きました。
「いま、どう?」
由美子さんは、しばらく考えてから、こう答えました。
「正直、寂しいときも、ある。でも、夫といたときの『重さ』は、消えた」
「朝、起きたとき、夫がいないリビングが、最初は、空虚だった」 「でも、3ヶ月経って、いまは、その空虚さに、慣れた」 「そして、空虚さの代わりに、自由が、ある」
「自分のために、朝食を作る」 「自分のために、テレビを見る」 「自分のために、夜、本を読む」
「これが、こんなに、楽だなんて、思わなかったの」
由美子さんの声は、電話の向こうで、笑っていました。
わたしが学んだ、3つのこと
由美子さんとの、2時間の電話で、わたしが学んだことを、3つお伝えします。
学び① 熟年離婚は、衝動的な決断ではなく、3年の準備の結果
由美子さんは、3年かけて、本当に丁寧に、準備をしていました。
「離婚したい」と感じてから、すぐに行動するのではなく、情報収集→環境の整え→実行、という、3段階を、ゆっくり進める。
これが、熟年離婚を、成功させる、いちばん大事な姿勢だと、わたしは、学びました。
学び② 「ぞんざいに扱われ続けること」は、十分な離婚理由
由美子さんのご主人は、暴力も、浮気も、なかったそうです。
ですが、「ぞんざいに扱う」が、30年続くことは、十分、夫婦関係の崩壊の理由になります。
これは、わたしのケース(夫が、わたしの話を聞いてくれた)と、根本的に違う点でした。
「ぞんざいに扱う」は、相手の人格を、徐々に、削っていきます。 それが30年続いた由美子さんが、離婚を選んだのは、本当に、正しい選択だったと、わたしは、思います。
学び③ 子どもたちは、親の関係を、見ている
由美子さんの子どもたちが、お母さんの離婚に「ぜんぜん驚かなかった」のは、わたしには、衝撃でした。
子どもたちは、親の関係を、わたしたちが思っているより、ずっと、見ています。
そして、お母さんが我慢していることも、お父さんが、お母さんを軽く扱っていることも、ぜんぶ、わかっています。
子どもたちが、独立したあとに、お母さんが「離婚したい」と切り出したとき、子どもたちは、たぶん、「ようやくね、お母さん」と言ってくれることが、多いのです。
これは、わたしには、新しい発見でした。
由美子さんと、わたし、それぞれの結論
由美子さんは、3年かけて、離婚を選びました。 わたしは、3年かけて、関係を整え直すことを選びました(別記事「熟年離婚を真剣に考えて、3年かけてやめた話」)。
ふたりは、まったく違う結論に、たどり着きました。
ですが、共通していたのは、「3年、ゆっくり、考えた」ということでした。
衝動的に、離婚するわけでも、衝動的に、続けるわけでも、ありません。
3年かけて、自分の状況を整理して、専門家に相談して、夫と話して、最後に決める。
これが、熟年離婚の、いちばん大事な姿勢、だと、わたしは、由美子さんから、改めて、学びました。
同じ立場の方へ
もし、いま、熟年離婚を考えている方がいらっしゃるなら、申し上げたいことが、ひとつあります。
衝動で、動かないでください。
3年、ゆっくり、考えてください。
- 1年目: 情報収集(本を5冊読む、無料弁護士相談を受ける)
- 2年目: 環境の整え(収入、住居、貯蓄を、整理)
- 3年目: 夫に切り出して、実行
3年で、自分の答えが、見えてきます。
答えが「離婚する」でも、「続ける」でも、どちらでも、その答えは、3年の重さで、本物になります。
由美子さんは、3年かけて、離婚を選びました。 わたしは、3年かけて、続けることを、選びました。
ふたりとも、自分の3年の答えに、満足しています。
そして、わたしと由美子さんは、いまでも、月1で、ふたりで、お茶をしています。
熟年離婚を選んだ友人と、続けることを選んだわたしが、いまも、友達でいられる。
それは、お互いに、相手の3年を、尊重しているからだと、思っています。
なお、繰り返しになりますが、熟年離婚の判断や手続きは、それぞれのご家庭で大きく違います。具体的なご検討は、必ず弁護士、ファイナンシャルプランナー、または法テラスなどの専門家にご相談ください。
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