= COLUMN =
リハビリを始めた義母と、わたしが伴走した半年
85歳の義母が、転倒で、大腿骨を骨折。手術のあと、リハビリが、始まりました。65歳のわたしが、義母のリハビリに、半年、伴走しました。最初の絶望、少しずつの回復、義母とわたしの心の変化、退院の日のことを、お伝えします。同じく親のリハビリに寄り添う方へ。
65歳のわたしの、義母(85歳)が、去年の冬、転倒で、大腿骨を、骨折しました。
家のお風呂場で、滑って、転んで、しまったのです。
すぐに、救急車で、運ばれて、その日のうちに、手術。 人工骨頭という、金属の部品を、入れる、手術でした。
手術は、無事に、成功。
ですが、85歳の義母にとって、本当に、大変なのは、手術のあとの、リハビリ、でした。
「もう、二度と、自分の足で、歩けないかもしれない」
入院した、最初の頃、義母は、ベッドの上で、何度も、そう、つぶやいて、いました。
その義母のリハビリに、わたしは、半年、伴走しました。
今日は、その半年の、義母とわたしの、心の変化を、お伝えします。
「親が、骨折して、リハビリが、始まった」「リハビリに、どう、寄り添えばいいか、わからない」と、感じている方に、ひとつの参考に、なれば、と思います。
なお、リハビリの内容や、回復のペースは、人によって、本当に違います。具体的なご相談は、必ず、主治医や、リハビリの専門職(理学療法士さんなど)に、ご確認ください。
手術のあと、義母の、最初の絶望
手術は、無事に、終わりました。
ですが、術後、3日目、義母は、ベッドの上で、こう、わたしに、言いました。
「もう、わたし、おしまいだわ」 「85にもなって、骨を、折って、寝たきりになるのね」 「あなたたちに、迷惑を、かけて、本当に、ごめんなさい」
義母は、自分の、これからの人生を、もう、諦めて、いました。
わたしは、義母の手を、握って、こう、伝えました。
「お義母さん、まだ、おしまいじゃ、ないです。お医者さんも、リハビリを、頑張れば、また、歩けるようになるって、言ってくれてます」 「わたしも、ずっと、お義母さんの、リハビリに、つき添います。いっしょに、頑張りましょう」
義母は、わたしの言葉に、ぼんやり、頷いて、くれました。
でも、その目には、まだ、深い、不安が、残って、いました。
リハビリの、最初の1ヶ月: ベッドの上から
リハビリは、手術の、翌週から、始まりました。
最初は、ベッドの上で
最初の1週間は、ベッドの上で、足を、ぼんやり、動かす、運動から。
- 足首を、ゆっくり、曲げ伸ばし
- 膝を、少しずつ、立てる
- 寝たまま、足を、ちょっと、持ち上げる
理学療法士さんが、毎日、ベッドの横で、義母に、優しく、声を、かけて、くれました。
「お義母さん、無理しないで、いいですよ。今日は、5回だけ、やってみましょう」
わたしが、できたこと
わたしは、毎日、午後、義母の、お見舞いに、行きました。
そして、理学療法士さんの、リハビリの様子を、見て、わたしも、いっしょに、覚えました。
理学療法士さんが、いない、時間に、義母と、いっしょに、簡単な、足の運動を、やりました。
「お義母さん、いっしょに、足首、動かしましょうね。1、2、3…」
義母は、わたしと、いっしょだと、ちょっと、笑顔で、運動を、してくれました。
リハビリの、2〜3ヶ月: 立つ、歩く、への挑戦
2ヶ月目から、義母は、リハビリ室で、本格的な、リハビリを、始めました。
立つ、練習
最初は、平行棒に、つかまって、立つ、練習。
義母は、最初、立つだけで、足が、震えて、いました。
「怖い…倒れそう…」
ですが、理学療法士さんが、しっかり、支えて、くれて、義母は、少しずつ、立てるように、なりました。
歩く、練習
3ヶ月目、義母は、歩行器を、使って、歩く、練習を、始めました。
最初は、5メートル、歩くのが、やっと。
ですが、毎日、続けて、5メートルが、10メートル、20メートルに、なりました。
ある日、義母が、リハビリ室で、20メートル、歩けた日。 義母は、わたしの顔を、見て、こう、言いました。
「あなた、見て。お義母さん、歩けたわ」
その義母の、満面の笑顔。 わたしは、リハビリ室で、義母を、抱きしめて、いっしょに、泣きました。
「お義母さん、すごい。本当に、すごい」
リハビリの、4〜6ヶ月: 退院に向けて
4ヶ月目から、リハビリは、退院に向けての、実践的な、練習に、なりました。
家での暮らしを、想定した練習
- トイレに、自分で、行く練習
- お風呂に、安全に、入る練習
- 台所で、立って、簡単な料理をする練習
- 玄関の、段差を、上り下りする練習
退院後の、義母の、家での暮らしを、想定した、練習です。
家の、改修も、進めた
リハビリと、並行して、わたしと夫は、義母の家の、改修を、進めました。
- お風呂場に、手すりを、設置
- トイレに、手すりを、設置
- 玄関に、椅子と、手すりを、設置
- 廊下の、段差を、なくす(スロープ化)
- 滑りにくい、床材に、変更
これらは、介護保険の、住宅改修費の、補助を、使いました(上限20万円、1割〜3割負担)。
ケアマネさんが、ぜんぶ、手続きを、サポートして、くれました。
退院の日
骨折から、約6ヶ月。
義母は、歩行器を、使って、自分の足で、歩いて、退院しました。
退院の日、義母は、病院の玄関で、わたしと夫に、こう、言いました。
「あなたたちが、いてくれたから、わたし、また、歩けるようになった」 「あの時、おしまいだって、思ったのに。本当に、ありがとう」
義母の、その言葉に、わたしは、また、涙が、出ました。
半年で、わたしが、深く、学んだ3つのこと
義母のリハビリに、半年、伴走して、わたしが、深く、学んだことを、3つ、お伝えします。
学び① リハビリは、「心の伴走」が、いちばん大事
リハビリの、いちばんの、敵は、本人の、心の、諦め、です。
「もう、歩けない」「もう、おしまい」
この、心の諦めを、ぼんやり、ほどいて、いくのが、家族の、いちばんの、役割。
「いっしょに、頑張りましょう」 「お義母さん、すごい」 「今日は、ここまで、できたね」
毎日、義母の、心に、寄り添って、小さな進歩を、いっしょに、喜ぶ。
これが、リハビリの、いちばん大事な、伴走、だと、わたしは、学びました。
学び② 「プロの力」を、ちゃんと、借りる
理学療法士さん、作業療法士さん、ケアマネさん、看護師さん。
リハビリには、たくさんの、プロが、関わって、くれます。
家族だけで、頑張ろうとしないで、プロの力を、ちゃんと、借りる。
そして、プロの方々の、リハビリの様子を、見て、家族も、いっしょに、覚える。
家族と、プロが、いっしょに、義母を、支える。 これが、リハビリの、いちばんの、コツ、です。
学び③ 「小さな進歩」を、ちゃんと、見つけて、喜ぶ
5メートルが、10メートルに。 立てなかったのが、立てるように。 歩行器なしで、数歩、歩けるように。
リハビリは、毎日の、本当に、小さな進歩の、積み重ね、です。
その小さな進歩を、ちゃんと、見つけて、本人と、いっしょに、喜ぶ。
「お義母さん、昨日より、5メートル、多く、歩けたね」
この、小さな喜びが、本人の、リハビリへの、いちばんの、力に、なります。
退院後の、義母の、いま
退院から、半年。
義母は、いま、歩行器なしで、家の中を、ゆっくり、歩いて、暮らして、います。
外出は、まだ、歩行器、または、車椅子を、使いますが、家の中は、自分の足で、歩けます。
そして、いちばん、嬉しいのは、義母が、自分で、お台所に、立って、簡単な、お味噌汁を、作れるように、なったこと。
「やっぱり、自分で、作ったお味噌汁が、いちばん、おいしい」
義母の、その笑顔が、わたしには、いちばんの、宝物、です。
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さいごに
義母の、半年の、リハビリ。
それは、義母にとっても、わたしにとっても、本当に、大変な、半年でした。
ですが、その半年が、わたしと、義母の関係を、いちばん、深いところまで、結び直して、くれました。
「あなたたちが、いてくれたから、また、歩けるようになった」
義母の、その言葉が、わたしには、半年の、いちばんの、ご褒美、でした。
親が、骨折して、リハビリが、始まったとき、家族は、本当に、不安に、なります。
ですが、「心の伴走」「プロの力を借りる」「小さな進歩を喜ぶ」、この3つを、大事に、すれば、ご家族の、リハビリは、ちゃんと、前に、進みます。
なお、リハビリの内容や、回復のペースは、人によって違います。具体的なご相談は、必ず、主治医や、リハビリの専門職に、ご確認ください。
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