親の家計を一緒に整理する、月1回30分の作法
88歳の母の家計を、わたしが代わりに整理するのではなく、母と『一緒に』整理しています。月1回、30分だけ。3年続けた、親と娘の家計整理の作法を、具体的にお伝えします。年金、医療費、おまかせ預金、不要な引き落とし。母を傷つけずに、家計を整える方法を、整理しました。
88歳の母の家計を、わたしが、整理するように、なって、3年が経ちました。
母は、年金生活で、ひとり暮らし。 わたしは、毎週1回、実家に通って、買い物のお手伝いと、家事を、しています。
3年前、わたしが、母の家計を、初めて、見たとき、いくつかの「あれ?」が、見つかりました。
- 母が、よく知らない団体に、月3,000円、寄付し続けていた
- 母が、解約したと思っていた、有料サービスが、月980円、引き落とされていた
- 母の口座から、孫(わたしの息子の同級生)への、お祝いが、本当は不要なところで、何回も、出ていた
これらを、わたしが、勝手に、整理することも、できました。
ですが、それは、母を傷つけることに、なると、感じました。
「お母さんの家計だから、お母さんと、一緒に、整えていく」
そう、決めました。
3年経って、母とわたしの「月1回、30分の家計整理」が、定着しました。
この記事では、その作法を、お伝えします。
お断り:この記事は、わたし個人の体験です。親の家計整理は、ご家庭ごとに状況が違います。ご家族とご相談のうえ、進めてください。
月1回、30分の家計整理、決めたこと
最初に、母と決めた「月1回、30分の家計整理」のルールを、お伝えします。
日時
毎月、第1金曜日の午後2時から、2時30分まで。 30分、ぴったり。
場所
母の家の、リビングのテーブル。 お茶を、出して、ふたりで、向かい合って、座る。
道具
- 母の通帳(2冊)
- 母のお財布
- 母の銀行のキャッシュカード
- 母の前月分の、銀行の取引明細
- 紙とペン(わたしが、メモする用)
- お茶とお菓子(母が選ぶ)
進め方
- 最初の5分: 軽い世間話と、母の体調確認
- 次の10分: 母と、わたしで、前月の取引明細を、ひとつずつ、見る
- 次の10分: 気になる点を、母に、確認しながら、相談する
- 最後の5分: 来月の予定(医療費、特別な出費など)を、共有
母を傷つけない、3つのコツ
3年運用して、母を傷つけずに、家計整理を、続ける、3つのコツを、お伝えします。
コツ① 「決めるのは、お母さん」と、最初に伝える
これが、いちばん大事なコツでした。
毎月、家計整理の最初に、わたしは、母にこう、言います。
「お母さん、ぜんぶ、決めるのは、お母さんよ。わたしは、お母さんが、見落としていそうな点を、ただ、お伝えするだけ。やめるか、続けるかは、お母さんが、決めてね」
これだけで、母は、安心して、わたしに、家計を、見せてくれます。
「娘が、勝手に、わたしの家計を、整理する」と感じると、母は、防御的に、なります。
「自分が、最終的に決められる」と知っていると、母は、心を開いてくれます。
コツ② 「すぐ、答えない」を、受け入れる
家計整理のなかで、母が、すぐに、答えられないことが、たくさん、あります。
たとえば、こう。
「お母さん、この月3,000円の寄付、どうする?」
「うーん、ちょっと、考えるわ」
「うん、わかった。来月、もう一度、聞くね」
これで、いいのです。
母に、すぐに、答えを、迫らない。 来月、もう一度、聞く。
3回、4回、同じことを、聞いているうちに、母も、ゆっくり、考えて、答えを、出してくれます。
コツ③ 「やめる」より「減らす」を、提案する
「ぜんぶ、やめましょう」より、「半分に、しましょう」のほうが、母には、受け入れやすいです。
たとえば、月3,000円の寄付を、わたしが「ぜんぶ、やめるべき」と言うと、母は「でも、長年続けてきたから」と、抵抗します。
ですが、こう、伝えます。
「お母さん、月3,000円が、いまの母の年金には、ちょっと、大きいかも。半分の1,500円に、減らすことは、できるかしら」
すると、母は、「うん、それなら、いいかも」と、答えてくれます。
「やめる」より「減らす」のほうが、母の抵抗が、少ない。
これは、3年で、わたしが見つけた、大事なコツでした。
3年で、整えた、母の家計
3年で、月1回、30分の家計整理を続けて、母の家計は、こう、整いました。
やめたもの
- よく知らない団体への寄付(月3,000円→月1,500円に減らして、最終的にゼロに)
- 解約し忘れていた、有料サービス(月980円→ゼロ)
- 使っていない有料雑誌の年間契約(年12,000円→ゼロ)
合計、月で、約5,500円の節約。 年で、6万円以上の節約に、なりました。
整理したもの
- 不要な、ポイントカード(15枚→3枚)
- 古い、診察券(8枚→3枚)
- 5年以上使っていない、銀行口座(2口座→0、解約)
- ぱんぱんだった、財布
これらは、別記事(88歳の母の財布、わたしが代わりに整理した1日のこと)に、書きました。
残したもの
- 母の年金(2口座、ゆうちょと地方銀行)
- 母のかかりつけ医(3医院)の診察券
- 母のよく行くスーパーのポイントカード(3枚)
- 母の好きな雑誌(月1冊)
「やめる」だけでなく、「残す」も、明確に、しました。
家計整理で、よく出てくる「3つの罠」
3年で、わたしが、母の家計整理で、よく出会った「3つの罠」を、お伝えします。
罠① 「自動的に、引き落とされる」もの
母の口座から、自動的に、引き落とされていた、不要な定期支払い。
- 解約したと思っていた、新聞の電子版
- 携帯電話の、不要なオプション
- 通販サイトの、有料会員サービス
これらは、母も、わたしも、すぐには、気づきませんでした。
3年で、6つほど、見つけました。 合計、月で、約3,000円の節約。
「自動引き落としの一覧」を、定期的に、確認することが、いちばんの予防です。
罠② 「義理で、続けている」もの
母が、義理で、続けていた支払い。
- 知らない団体への、寄付
- 義理で買っている、お中元の積立
- 親戚への、毎年のお歳暮の引き落とし
これらは、母にとって、義理だけど、お金の負担が、年で、結構な金額に、なっていました。
「お母さん、相手の方は、たぶん、お母さんが、続けてくれていることを、義務だと、思っていないわよ」と、伝えると、母は、思いきって、やめてくれました。
罠③ 「子どもや孫への、過剰な支援」
母は、いつの間にか、わたしの息子(母の孫)に、月10,000円、お小遣いとして、振り込んでいました。
息子(40代、独立、ちゃんと働いている)が、本当に必要としているわけ、ではありませんでした。
母に確認すると、「孫が、独立してから、毎月、お小遣いを送ってきたの。やめるタイミングが、なくて」とのことでした。
息子にも、相談して、月10,000円のお小遣いを、年に2回(誕生日とお正月)、5,000円ずつにする、と決めました。
これで、年で、110,000円の節約。
子どもや孫への支援は、母にとって、嬉しいことですが、母の家計の負担に、なっていないか、定期的に、見直す必要が、ありました。
公的な情報(家計整理のサポート)
ご家族の家計整理について、公的な情報源では、こう案内されています。
高齢者の家計や、金融取引に関する相談は、消費生活センターや、地域包括支援センターでも受け付けています
特に、よくわからない団体からの引き落としや、悪質な投資勧誘は、すぐに、消費生活センター(全国共通の電話番号: 188)に、ご相談ください。
さいごに
親の家計整理は、お金の話だけでは、ありません。
「親の人生」を、整えていく、作業です。
ですから、急がず、月1回、30分ずつ、ゆっくり、進める。 親の自尊心を、大事に、しながら、決定権を、親に、残す。
これが、わたしと母の3年で、見つけた、いちばんの作法でした。
3年経って、母の家計は、ぐっと、整いました。 そして、母とわたしの関係も、ぐっと、温かく、なりました。
月1回の30分が、わたしと母の、いちばん深い、ふたりの時間に、なっています。
なお、繰り返しになりますが、親の家計整理は、ご家庭ごとに状況が違います。具体的なご相談は、ご家族と、または消費生活センター、地域包括支援センターにご相談ください。
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