ヨバナシ —女たちの秘密会議
熟年離婚

68歳で家を出ました。年金分割とひとり暮らしを選んだ記録

ヨバナシ編集部 読了 約3分

『いまさら離婚?』と娘に泣かれても、私は決めました。年金分割、住まいの確保、心の整理、熟年離婚で私が本当にしたこと。

68歳になった年の春、私は45年連れ添った夫と別れました。

全体像から把握したい方へ:この記事は「熟年離婚・夫婦」シリーズの一部です。離婚・卒婚・死別の判断、年金分割、住まい、弁護士の選び方までを8場面で整理した 熟年離婚を考えはじめた50〜60代女性の完全ガイド もあわせてどうぞ。

決めたのは、娘の結婚式の帰り道

新しい日々

夫は娘の結婚式で、スピーチを代読しました。「父親として、何もしてこなかった」と書いたその手紙を、棒読みで読むのです。会場は涙に包まれたけれど、私は冷めていました。

いまさら、書いた「反省」を読まれても。

帰りのタクシーで、私は「離婚しようと思う」と告げました。夫は何も言わず、ただ窓の外を見ていました。

年金分割について、知っておいたこと

熟年離婚で最も現実的な話は、お金です。とくに年金。

合意分割と3号分割

  • 合意分割:夫婦で話し合い、最大1/2まで分割
  • 3号分割:2008年4月以降の第3号被保険者期間について、自動的に1/2

私は長く専業主婦だったので、両方を組み合わせました。年金分割は、離婚後2年以内に請求しないと原則できません。 時効があります。

分割しても、劇的には増えない

ここは正直にお伝えします。年金分割で受け取れるのは、夫の厚生年金部分の一部だけ。国民年金は対象外です。私の場合、月に数万円の増加でした。

「これで余裕で生活」とは、なりません。

住まいを、どう確保したか

夜明け前の窓

持ち家は夫名義でした。財産分与で私は現金を受け取り、賃貸住宅に引っ越しました。

公営住宅の申し込み

高齢者向けの公営住宅は、倍率が高いですが家賃が安い。私は運よく、半年待ちで入居できました。2DKで月4万円。

UR賃貸住宅

保証人・礼金・更新料が不要で、高齢者にも比較的借りやすい選択肢です。

「おひとりさま」の保証制度

民間の賃貸でも、いまは保証会社を使える物件が増えています。地域包括支援センターや、社会福祉協議会にも、高齢者の住まいに関する相談窓口があります。

心の整理に、半年かかった

手続きは数ヶ月で終わりました。でも、心の整理は、もっと長かった。

  • 「寂しい」と「自由」が、同じ日に来る
  • 45年分の台所仕事が、もう要らない戸惑い
  • 娘に泣かれた夜、本当に正しかったか揺らぐ

それでも、朝起きて、誰にも気を遣わず、自分のために紅茶を淹れる時間が、私を支えてくれました。

娘との関係

娘には、しばらく会ってもらえませんでした。半年して、孫を連れて訪ねてきてくれました。

「お母さんの顔、明るくなったね」

その一言で、すべて報われた気がしました。

秘密会議のみなさんへ

  • 離婚は、ゴールではなく、新しい暮らしの始まり。 準備は、一年以上かけてもいい。
  • 年金分割には、時効がある。 離婚後2年以内に請求を。
  • 住まいの確保を、お金と同じくらい重要に。 公的住宅の情報を早めに。
  • 専門家への相談は、必ず。 弁護士会の「法律相談」は、初回30分5,000円程度のところが多いです。
  • 心の整理には、時間がかかる。 ゆっくりでいい。

離婚を勧めているわけではありません。続けることを選ぶ方も、尊いと思います。ただ、「選ぶ自由が、あなたにはある」 ということを、誰かに伝えたかっただけです。

この体験談は、私個人の事例です。制度や金額はご自身の状況により異なりますので、必ず弁護士・社会保険労務士などの専門家にご確認ください。

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