ヨバナシ —女たちの秘密会議
介護

母の介護、気づけば私ばかり。きょうだいの負担差を話し合った話

ヨバナシ編集部 読了 約3分

長女というだけで、当然のように介護を担わされた私。弟夫婦との話し合いで見えてきた、家族だから言えない・言わない・言えなかった本音。

母がデイサービスに通いはじめて、二年が経ちました。父はすでに亡く、母は一人暮らし。私は車で15分、弟は新幹線で二時間、妹は飛行機の距離に住んでいます。

気づけば、母のことは「ぜんぶ私」になっていました。

全体像から把握したい方へ:この記事は「親の介護」シリーズの一部です。離職を避ける制度・きょうだいでの分担・認知症対策・施設選びまでを9場面で整理した 親の介護に直面した50代娘の完全ガイド もあわせてどうぞ。

気づいたら、私の生活が消えていた

穏やかな午後

平日は仕事、週末は母のもと

朝は出勤前に電話で安否確認、昼休みにケアマネさんとやり取り、仕事帰りに母の家へ。土日は掃除と買い出しと通院付き添い。自分のための時間は、月に一、二時間あるかないか。

限界が来たのは、ある日の朝

炊飯器のスイッチを入れ忘れて、職場で泣いたのです。ただのお米なのに。炊けてないご飯を見て、もうダメだ、と思いました。

きょうだい会議、開催

弟と妹に、オンラインで集まってもらいました。三人で話すのは、父の葬式以来です。

「できること」を紙に書いた

最初は、感情的な言い合いになりました。「近くに住んでるんだから」「仕事があるから」「子育てで忙しい」。それぞれに言い分がある。

そこで、感情の話をいったんやめて、「できること・できないこと」を紙に書き出しました。

  • 私:平日の見守り、近場の通院、日用品の買い出し
  • 弟:金銭的な援助、月に一度の帰省、書類手続き
  • 妹:電話での話し相手、写真や便りを送る、夏休みに長期で帰る

お金の話を、ちゃんとした

これが一番、勇気がいりました。「介護にかかる費用」を見える化したのです。母の年金で足りない分、月いくらを、誰がいくら出すか。弟が毎月三万、妹が一万、私は労力で相殺。

お金の話は、家族だからこそ曖昧にしない。

半年たって、関係はむしろ良くなった

ひと息つくお茶

弟は月に一度、本当に来てくれるようになりました。妹からの電話で、母はよく笑います。私は、月に一度の休日が取れるようになりました。

完璧な分担ではありません。でも、「全部私」ではなくなった。それだけで、呼吸ができます。

制度と、相談先の話

体験だけではなく、実用の話もしておきます。

地域包括支援センター

各市区町村に必ずあります。介護のことで困ったら、まずここ。無料です。

ケアマネジャー

介護保険サービスのコーディネーター。信頼できるケアマネさんに出会えるかで、負担がまったく違います。合わなければ、変更も可能です。

弁護士・司法書士への相談

財産や相続、成年後見制度のことは、専門家に早めに。最初の相談は無料のところも多いです。

秘密会議のみなさんへ

  • 「長女だから」「近くに住んでるから」は、理由にしなくていい。
  • 感情の前に、紙に書き出す。 見える化は、揉めごとを減らします。
  • お金は、曖昧にしない。 口約束は、後々の火種になります。
  • ひとりで抱えない。 制度と専門家は、あなたの味方です。

母は、私が疲れた顔をしているとすぐ気づきます。「ごめんね」と言われるたびに、胸が痛い。でも、いまは笑って「大丈夫よ」と返せるようになりました。

同じシリーズの他の話

= 関連する夜話 =

介護

親の介護費用、わたしが1年でいくらかかったかの記録

88歳の母の在宅介護に、1年で、いくらかかったか。65歳のわたしが、実際に、記録した1年分の介護費用を、内訳とともに、公開します。介護保険サービス、おむつ代、医療費、介護タクシー。費用を抑える工夫、使える制度も、公的な情報と一緒にお伝えします。親の介護費用に不安がある方へ。

#60代 #介護費用 #在宅介護

介護

介護認定の更新と区分変更、わたしが申請した時の話

母の介護度が、進んだと感じたとき、わたしは、要介護度の区分変更を、申請しました。介護認定の更新と、区分変更の違い、申請の流れ、認定調査のポイント、結果が出るまでの期間を、65歳のわたしの体験と、公的な情報で、お伝えします。親の介護度の見直しを考える方へ。

#60代 #介護認定 #区分変更